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斬新さを評価!

京菓子と琳派展で大賞

福島幸治さん 栃木県菓子工業組合足利支部の福島幸治(ふくしまゆきはる)さん(37)が手掛けた「角彩(かくさい)」がこのほど京都市で開かれた京菓子デザイン展「手のひらの自然―京菓子と琳派」2015実作部門で大賞に輝いた。

 昨年、秋に行われた同展には、実作部門とデザイン部門合わせて国内やオランダから計376点が集まり各部門4作品が入賞した。

 デザイン展は京都で日本の伝統文化継承に取り組む公益財団法人「有斐斎 弘道館」が京菓子の芸術性をPRしようと主催。2回目の開催となった今年のテーマは「琳派が描く自然」

角彩 「角彩(かくさい)」は尾形乾山(おがたけんざん)の「色絵石垣文角皿(いろえいしがきもんかくざら)」の配色などを参考に白、黒、青、黄、緑、あずき色の6色の練り切りを市松模様にした作品。

 地元足利で大正から昭和初期にかけて一世を風靡した「足利銘仙」をモチーフにした作品。

 「京菓子としてしっかり作られている中に、デザインとして今までにない新しさ、斬新さを感じた。『温故知新』という言葉がぴったりくる作品」と高い評価を得た。

 福島氏は創業100年を迎える和菓子店の3代目。大学卒業後都内イタリア料理店で約3年修行。その後、イタリアペルージャに渡り2年半料理修行を行ない2009年に家業を継ぐことを決め、2011年からナポリで洋菓子やパン、デザート作りを学んだ異色の経歴の持ち主。和の伝統に新たな息吹を吹き込む若き職人に期待がかかる。

 福島さんは「和菓子だけではなく、お花、お茶、着物など日本文化に触れつつより一層和菓子作りへのヒントが隠されていることがわかった。和菓子作りをしながら伝統の日本文化にも触れていきたい。今後は小中学生など、若い人たちに和菓子の魅力を伝えていきたい」と抱負を語った。

 栃木県菓子工業組合副理事長・小泉信秀

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