各地の菓子店探訪
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㈲右城松風堂

四万十銘菓「筏羊羹(いかだようかん)」

筏羊羹 高知県四万十市(旧中村市)の中心をゆったりと流れる四万十川は、日本列島に残された随一の清流と言われ、延々196㎞にも及ぶ河川です。

㈲右城松風堂 お店のあるここ四万十市は土佐の小京都と言われており、「応仁の乱」で京の都を逃れてきた一条教房公が作った町で、今では街並みこそ薄れておりますが、鴨川、東山、大文字焼等京都にちなんだ地名や行事が数々残されている所です。 私ども㈲右城松風堂は、先々代が戦前に和菓子の製造を始め、戦時中、満州に渡り菓子店を営んでおりました。終戦となって引き揚げ、先々代よりこの四万十市小姓町で商いを再開して今日に至っております。

 今では道路や鉄道が整備され、人や物の往来が昔と違ったかたちで盛んになってきましたが、昔、道路が整備されていなかった時代の四万十川流域では、切り出した木材を筏に組み、炭や生活物資をその筏に乗せて四万十川を上流から海に近い下流まで頻繁に運んでいたそうです。

 先代らはその筏流しの光景を懐かしみ、木材の形をした筒状の羊羹を筏風に組んで筏流しをイメージしながら「筏羊羹」という名のお菓子を商品開発し、販売を始めました。今では、四万十を代表する銘菓となっております。製造方法は今も当初のまま変えることなく、原料の小豆も厳選した北海道産にこだわり、一本一本手作業で製造しております。

店内風景 また、先代は早くから「♪♪筏羊羹中村名物…♪♪」とコマーシャルソングをつくり、高知県内のラジオ・テレビで流しました。今でもご来店下さるお客様に歌っていただいたり、口ずさんでくださったり、とても嬉しく有り難く思っております。

 この「筏羊羹」の他にも、四万十川の青のりを使用した「小鮎最中」「秋水餅」粒餡に求肥餅入りの「大鮎最中」もあり、皆さまに大変喜んでいただいております。

 小さな店舗ではございますが、スタッフ一同感謝の気持ちを大事に、お客様との出会いを大切に日々接しております。今後ともお引き立て賜ります様、宜しくお願い申し上げます。

 ㈲右城松風堂代表取締役・田村昭子

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