各地の菓子店探訪
神奈川県菓子店の投稿

お菓子とコラボした秦野産落花生!

後継者シリーズ⑪

北原堂製菓 今回ご紹介する秦野市は、市街地を四方山に囲まれ、北部と西部に丹沢山地が連なる緑豊かでそぼくな街並みです。そして秦野と言えば風味豊かな落花生が有名。町のお菓子屋さんは、特産物の落花生を使っての最中を始めとするお菓子がたくさんあります。駅の売店等落花生に関する物で溢れています。単純に落花生といえば千葉と思っていた私は、その概念を捨てなければなりません。その他、丹沢茶、八重桜の塩漬等それらの他にも一杯ありますが、何より自然ですね。駅を降り立つと、まず迎えてくれるのが、丹沢の山々。目の前に迫ってきて、空気感がスーと抜けた感じで青い空、新緑の山、心が洗われるイメージ。日常、忘れかけている安らぎを身体全体で受け止められる秦野市です。そんな自然豊かな中で、「北原堂製菓」の三代目石田好弘さんは、十年前にお店を引き継ぎ、看板商品の『丹沢蒸しどら』を考案。黒糖を使い蒸し上げた生地に落花生餡を挟んだもの。県の銘菓に指定され、数々の賞も受賞。また、二代目が考案した『秦野味だより』は落花生のきんとん餡に栗と黄味餡を包みこんだ一品、四季折々の和菓子で地元に根強いファンが多く、お客様が絶え間なく訪れる繁盛店です。秦野駅から、車で五分ぐらい、突然、前にどーんと丹沢蒸しどら存在感のある大きな看板が目印。二年前に建替をしたばかりの和テイストの店内はセンスのよさが引き立ち、お菓子が喜んでいるかのよう。食べておいしい、もらってうれしいお菓子を真心こめてお届けすることを常に心がけてますと、石田さんの笑顔が印象的でした。その思いはきっと、お客様に通じていると確信しています。ご家族と従業員の方々との意志疎通も完璧、わきあいあいとしたよい雰囲気。代々考案した、店自慢のお菓子は次の世代に引継がれ、人々の心をお菓子の優しさで満たしていってくれるでしょう。

 神奈川県菓子工業組合事務局・神原裕美子

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