株式会社夏目製菓
繁盛企業訪問
今回の繁盛企業訪問は、「かりんとう」製造会社の中でも老舗中の老舗である、株式会社夏目製菓代表取締役社長丸地和也様と本社営業部兼品質管理部の浪崎充広様にお話を伺いました。
昭和20年10月、祖父である夏目嘉平様が創業され、二代目は父である丸地稔様が引き継がれました。その後、33年前に丸地和也様が三代目として代表取締役社長に就任され、現在に至っております。
今でこそ「かりんとう」に特化した夏目製菓ですが、創業当時からは、かりんとうの他に、カステラ・フライビンズ・バタピー・米菓・麩菓子・ボテトチップ・棒ジュース・えびせんべいまで、幅広い品種を製造していたとの事でした。そんな幅広い品種のお菓子を長年試行錯誤しながら製造してきましたが、約10年前に「かりんとう」一本に品種を絞り、その時から始まる夏目製菓のノウハウの集約は、他社が真似出来ない現在の「ナツメの味・食感・風味」を造り上げる上で、重要な役割を果たしました。
味へのこだわりは、最も高価で身体にも優しいと言われている米油100%で揚げるだけでなく、それぞれ違う温度で三度に分けて揚げる「ナツメの製法」で製造しています。温度の異なる米油で三度揚げる事により「かりんとう」の生地の中までしっかり火が通り、柔らかくなるだけでなく「外はカリっと、中は柔らかい」ナツメ独自の特徴がある「かりんとう」が出来上がります。
もちろん品質管理の面では、品質を重視する会社の姿勢が、社是の中でもあらわれ「品質管理を最重要視し、安心・安全で美味しい商品をお客様に提供し、社会に奉仕する」が掲げられています。その社是は、丸地社長から従業員の方々に周知されているだけでなく、平成18年には、早々にISO9001を取得されました。さらに「かりんとう」の品質管理をする上で、最も重要で的確な検査方法として、酸化と過酸化物価の計測があげられますが、夏目製菓では、営業日のほぼ毎日、検査を実施しています。その上、かりんとう製造メーカー約33社が加入する全国油菓子工業協同組合をはじめ、外部検査として年間5回計測する事により、社内検査との整合性を検証する事も怠らず、日々の品質管理に努めています。
丸地社長曰く「お菓子は、口に入れるものである以上、お菓子だから安ければいい、お菓子だからいい加減でもいい、ということは決してありません。口の入るものは安心して食べられるものでなくてはいけません」とおっしゃられる通り「美味しい」だけでなく「安心・安全」を今後も追い続ける丸地社長の姿と言葉は、今後も発展し続ける夏目製菓と「ナツメのかりんとう」が想像出来る会社訪問でした。
11月10日は、日本記念日協会が制定する「かりんとうの日」です。
愛知県菓子工業組合・伊藤寿朗