各地の菓子店探訪
三重県菓子店の投稿

バウムクーヘン専門店「トキノワ」

より専門性を高め時代のニーズに対応していく為に

トキノワのバウムクーヘン 令和3年11月3日に三重県津市にてバウムクーヘン専門店「トキノワ」をオープンさせました。

 津市の官庁街にある今年で創業43年になる父の代から始めた洋菓子店、「仏蘭西菓子ルフラン」を10年程前から長男である私も加わり家族で営んできました。

 コロナ禍になり得意先の悪化等で売上の減少もあり何か新たなアクションをと思い、曾祖父が和菓子屋を祖父がパン屋を父が洋菓子店を始めていたことからも私自身も洋菓子職人として長年働いてきましたが、このタイミングで事業継承という意味でも今までの歴史は大切にしつつ新たな挑戦をしたいとルフランはそのままに別の新たなブランドでの出店を決意し、今まで様々な洋菓子を作ってはきましたが、私が一番力を入れてきたバウムクーヘンで他に無いバウムクーヘンに特化した専門店を作ろうと考えました。

店舗外観 手土産やギフト色の強い商品でこのコロナ禍の中で人と人の直接の交流が少なくなった時代にはあまり不向きな形態かとも考えましたが、いつかは収束するだろうから悪い時に悪いなりに始めてしまえば後は良くなるだけかなと短絡的ではありますが思い準備をはじめました。しかしコロナの影響で建築資材や機材が入らなかったりと予定よりかなり遅れたりし、本当にオープン出来るのかと思いましたがなんとか店舗も出来上がりました。

 商品構成もかなり悩みましたが、卵や小麦といった材料は地元三重県産の物を使い他も厳選した物を使い、通常の形のバウムクーヘンだけでなく食べておいしく、目でも楽しめる様に形や彩も様々なラインナップにしパッケージもこだわって作りました。

 そして「暮らしという時の中で話を生み、和をなし輪をえがく」さまざまなシーンで愛されるようにとの願いを込めて「トキノワ」と店名をつけました。

 ゆっくり始めていけば良いかなと思い特に宣伝もしませんでしたが近隣にバウムクーヘン専門店が無い為、珍しさもありたくさんのお客様に来ていただいて嬉しく思います。オープンして暫くたってからが本当の始まりだと思いますので気を引き締めていくつもりです。

 オープンしたばかりで手つかずの所もあり私自身も初めてのことばかりで沢山の方に助けてもらいながら日々学んでばかりです。

 ネット等を含めたこれから変わっていくであろう販売の仕方や、変わっていく働き方など、今までよりも従業員が多くなり教育や労働環境の整備など時代に合った運営をしていく為、課題がたくさんありますが、お客様の笑顔を少しでも多く作れる様そして長く続けていける様に努力していくつもりです。

 三重県菓子工業組合・株式会社Flan代表取締役・箕田庸男