我孫子を和菓子で語る――「菓子工房 福一」

千葉県マスコットキャラクターのチーバくんで言うと鼻筋に位置する、難読地名の我孫子(あびこ)市にある「菓子工房 福一」。社長は千葉県菓子工業組合で令和6年から2期目の理事長を務める池田尚史(ひさし)氏(59)。お母様と奥様の千帆さん、長男の健勇さん(29)の4人で和菓子店を営んでいます。池田尚史氏と千帆さんは共に高校野球の強豪校である専大松戸高校の出身のご夫妻です。
昭和41年に先代であるお父様が、朝生屋を隣の柏市で創業、昭和51年に我孫子市に移転しました。移転して5年後に自家製餡に切り替え、和菓子全般を製造販売するようになりました。平成3年、尚史氏が25歳の時に修行先の「菓匠 香梅」(千葉県八千代市)から戻り、30歳で代替わりしました。

菓子工房 福一では季節の和菓子はもちろんのこと、我孫子を語れる和菓子を市内のお客様におみやげとして利用してもらうことをコンセプトに、「我孫子物語」と題して12種類の創作和菓子を販売しています。主力商品は先代が考案した、あびこ銘菓「文学焼R」。武者小路実篤、志賀直哉ら白樺派を代表する文学者が活躍した地であることから名付けられています。ふわふわで香ばしい皮(とら焼き)に上品な甘さの餡とモチモチの求肥がみごとに調和しています。こしあん、白あん、抹茶皮の粒あんの3種類があり、時代のニーズに合わせて配合を少しずつ変えています。そのほか、和風ダックワーズの「あびこの散歩道」、米粉で作った和風マドレーヌの「我孫子ジェンヌ」、我孫子市のマスコットキャラクターうなきちさんの焼印を施した「手賀沼のうなきちさん どら焼」など、我孫子で生まれ、我孫子で育った和菓子たちとして商品展開をしています。

現在、長男の健勇さんへの事業承継を進めており、同時に我孫子市以外への販路開拓を模索中とのことです。
千葉県の理事長、和菓子講習会や製菓学校の講師としても精力的に活動しており、そして和洋菓子の垣根を超えた創作和菓子を、次々と生み出すアイデアマンである池田尚史氏の今後の活躍が楽しみです。
千葉県菓子工業組合・副理事長・峯島重明
全国菓子工業組合連合会