各地の菓子店探訪
岡山県菓子店の投稿

看板商品 「瓊の柚(たまのゆ)」 「満月」

老舗菓子店 老松園

外観

 東総社駅から南に元町筋を進み、徒歩5分ほどの商店街通りに明治26年よりこの地で和菓子屋を営む「老松園」現在5代目店主、井上利行氏をお尋ねしました。

 もとは倉敷市真備町で創業していたようで、135年以上歴史があるのですが昔の洪水で以前の記録は残っていません。

 看板商品の「瓊の柚」と「満月」は店舗に併設された工房でひとつひとつ手作りしています。

瓊の柚

 「瓊の柚」は栞によると、先祖井上助七が古典から引用して名付けたと記録されており、透明感のある柚子風味の錦玉菓子で原材料は寒天と砂糖に柚子の皮をすりおろし少々、代々受け継がれてきた製法なので手間はかかる。竹の皮に包まれて取り出す艶やかな姿は美しく、冬は常温で夏は冷やしても良い。日が経つと表面の砂糖が結晶してザクっとした食感も楽しめる。

 「満月」はこしあんを薄皮でくるんだ焼き菓子で最初はパリッとして香ばしく、日を置くとしっとりとしてお茶にも珈琲にも合う。原材料は小豆あん、砂糖、小麦粉、鶏卵とシンプル、家族で手作り簡易包装のため賞味期限5日。店舗販売のみ、作りたての美味しい時にいただくのが良い。

満月

 お店は明治時代に建てられた風格ある三軒長屋を平成16年に改修しています。店内は柱や展示の棚、木製のショーケースなど明治26年創業の歴史を感じさせます。仕入れた菓子やせんべいなども豊富に取り揃えてありました。

 店主が継いだ年には西日本豪雨、立ち直りかけたところに、新型コロナウイルスの緊急事態宣言と大変でしたが家族経営だから乗り切ることができましたと店主は語る。外観からは少し敷居が高いかなと思って緊張していたら、アットホームな雰囲気と気さくに語ってくださる人柄にすっかり安心して長居をしてしまいました。

 店内で製造する菓子に自信と誇りをもってお客様に味わってもらう、代々技術を継承してきた先人達の知恵と大らかさが息づいているのかもしれない。

 岡山県菓子工業組合事務局・谷野美香

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