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菓子博今昔物語

時代を担う伊万里の菓子職人たち

森永太一郎 今年の4月21日から5月14日の24日間、三重県伊勢市で第27回全国菓子大博覧会が開催され、60万人近い観客を動員し大成功のうちにその幕を下ろしました。そこで今回は、菓子博の成功を祝し、菓子博にまつわる伊万里出身の二人の菓子職人の話を皆様にお届けしようと思います。

 一人目は、伊万里出身で森永製菓の創業者・森永太一郎。太一郎は1865年伊万里で生まれ、1899年に森永西洋菓子製造所(現在の森永製菓)を設立、日本菓子産業の近代化に多大な貢献をした人物です。全国菓子大博覧会の前身である「第1回帝国菓子飴大品評会」(1911年、太一郎の創業地である東京・赤坂溜池で開催)では栄えある名誉大賞牌を賜り、その前年に受けた「日英大博覧会」での名誉大賞牌とともに、この品評会は「森永の菓子」を国内外に示す絶好の機会となりました。これがきっかけとなり、その後の「紙サック入りミルクキャラメル」の大ヒット(1914年)、日本初のカカオ豆からのチョコレート一貫生産(1918年)など、太一郎は菓子業界のパイオニアとしての地位を歩むことになります。

伊万里ふんわりくっきい その第1回菓子飴品評会から106年後の今年、第27回全国菓子大博覧会(お伊勢さん菓子博2017)でわが組合の仲間が快挙を成し遂げました。二人目に紹介したいのがさかえ菓子舗の内田剛さん。内田さんは、5年前から伊万里の素材を使った新商品の開発に着手し「伊万里ふんわりくっきい」という新食感のクッキーをつくりだしました。この商品が今回、菓子博の褒賞審査(一般菓子・洋菓子部門)で厚生労働大臣賞を受賞したのです。以前より厳しくなった審査基準のもと、このような大きな賞を獲得できたのは、まさに内田さんのこれまでの努力の賜物ではないかと敬服しています。伊万里の米粉を基本に伊万里の梨、イチゴ、黒米、お茶などで味付けをした非常に口どけのいいクッキーですので、皆様もぜひご賞味いただければと思います。(電話番号0955―22―3613)

 菓子博で認められた二人の菓子職人。我々他の組合員もこの二人に負けないよう、これからも互いに切磋琢磨して、時代を切り開くいい菓子作りに精進してまいります。

 佐賀県菓子工業組合伊万里支部・大島敏雄

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