観光地日光と外国からのお客様
日光東照宮 式年大祭の年
国内有数の観光地、日光を訪れる観光客は千百万人とも言われていますが、先の大震災や風評被害、更に社寺が平成の大修理中ということもあり、ここの所やや低迷しているところです。
世界遺産として登録されている日光の社寺、その中の日光東照宮は本年、神として祀られている徳川家康公の没後四百年の節目で、百年に一度の式年大祭の年に当たります。
五月十八日からの例大祭を始めとして、半年間様々な行事やイベントを通して賑わいをつくり、多くの観光客に来ていただくべく計画をしています。又、門前の商店も記念の織旗を立てたり様々な演出で、記念すべき式年大祭を盛り上げています。
安全で親切で美しい国、日本が世界中から注目されているからだと思いますが、最近は日光に来られる外国人の観光客が驚く程増え、アジア、欧米など各国よりの多くの方々で賑わっています。
本業に触れますが、アジア系の方は日本のお菓子についてあまり抵抗なく購入されていきます。しかし欧米系の方は食文化の違いなどから、興味はあっても中々購入までにはいたりません。それでも町中の名店のひとつ、湯沢屋さんは茶寮も併設しており、抹茶と饅頭のセットやあんみつなどがよく売れるということです。また、ふだらく本舗さん、こちらは和菓子屋さんですが、醤油の炊き込みご飯を豆乳からできた味付ゆばで包んだ「ゆばむすび」を製造販売しており、これが外国人の方に好評とのことです。
とにかく、大勢のお客様が訪れるという事はそれだけ商売の機会が増えますので、上手なおもてなしや商品の企画、売り方の演出なども大切なのではないでしょうか。そして本年度の記念すべき行事が滞りなく終了することを願っております。
また、組合の恒例行事として本年も四月十二日に世界遺産社寺のひとつ二荒山神社に於きまして献菓祭が行われました。栃木県各地の店舗より九十点余りの品々を地元日光地区の三支部が協力し合って展示、飾りつけを行い神前に奉納し菓業の発展と仕事の安全を心から祈願しましたが、業界を取り巻く環境の変化や厳しさが影響しているのか、近年奉納品の数が減少傾向にあるのが気がかりなところです。
栃木県菓子工業組合常務理事・石田繁寿