ようそろ!「わかつき丸」
静岡県菓子工業組合
先の総会で新しい理事長が12年振りに誕生した。菓亭「わかつき」(富士市)社長の若月正章氏である。元々は製餡業を営む創業87年目の3代目であり、和菓子に興味を持った正章氏の代から小豆を主体とした和菓子店を始める。「一粒入魂」が信条で「きんつば」「どら焼」「鯛焼き」、夏場には「小豆アイスキャンデー」など連日客足の絶えない繁盛店である。氏は昭和34年生まれの56歳、働き盛りの新進気鋭である。自店の他に新富士駅や道の駅などで営業する「㈱あれこれ屋」の社長も務めている。また、地元中学校のPTA会長、大学の保護者会長など各方面の要職も務められている。
各種の勉強会にも積極的に参加されて見識を深めており、菓子業界をはじめ多方面の人脈も広く組合運営に寄せる期待は大きい。
当組合は、ここ数年で大きく衰退した。社会現象かもしれないが「メリットがない」「役員をやるのが嫌だ」「組合費の負担が大きい」「組合に期待がもてない」「後継者がいない」など理由は様々だ。当組合では出資金を頂いているので退会者には返還しなければならない、支部組合単位で退会されると膨大な金額が財政の圧迫となり、組合存続の危機ともなる。新規の事務員と会計役員が必死に支出の削減を図りどうにか危機をかわしてきたが、これまで組合としては何の存続対策を講じることもなく来てしまった。これからは新理事長の手腕と新役員の皆さんの結束力で、これ以上の衰退を停めると同時に退会者の復活をはかって頂きたい。28年度には組合創立50周年を迎え、29年には全国菓子大博覧会と大事業を控えている。新理事長はこの大きな事業を梃子に、組合員の総力を結集して組合力の増強と菓子業界の発展、各組合員のお店の繁盛を考えている。新体制のもと、これから色々なチャンスを皆さんに提供していくだろう。そのチャンスを掴み取るか見逃すかは自らの才量と能力にかかっている。
私もこれまで組合の恩恵を十分に受けて菓子屋を続けてきた。それは積極的に組合活動に参加させていただいた結果だと思っている。頑張りは必ず自分自身の幸いとなって返ってくることを信じたい。
さあー! いよいよ「わかつき丸」の船出だ。皆で力一杯「宜候」
静岡県菓子工業組合副理事長・森田紀