和菓子技術講習会にて
神奈川県菓子工業組合青年部
いよいよ秋本番の季節を迎えて、全国の和菓子店の皆様は御忙しい事と思います。今回は七月二十七日に横浜の国際フード製菓専門学校で青年部主催の講習会に参加して来ました。参加者七十名以上と盛況の基、県の重鎮の土門千次氏が「季節の和菓子」と題しいて次代を担う若い菓子職人達にエールを送る為に指導をしてくれました。今、私達が置かれている後継者不足や冠婚葬祭の簡素化、巨大ショッピングモールなどによる客足の変化、また異業種からの和菓子業界参入などの厳しい状況をなんとか乗り切って行って欲しいという大先輩の心意気が感じられ、充実感のある一日を味わう事が出来ました。
中でも私が一番感動したのが、土門氏が和菓子屋に成ってから今に至るまでに自分の作った上生菓子は元より自分がイメージした上生や若い頃に足繁く通ったお店の上生の絵を、色鉛筆を駆使して全部で約千種類以上のファイルが展示してあった事でした。途轍もない時間の流れを目の当たりにして茫然としました。自分はまだ努力が足りてない、参加者の大半も実感したと思います。
ここは恩師が平成十年六月に記した文章を一部紹介したいと思います。
一、薔薇色は喜びと幸せの象徴 桃色は美善力を表す 黄色は食欲をそそる色 山形県では、「もってのほか」と言う食用菊が有るそうですが、菓子では赤やピンクの製品に黄色を少し使って仕上げた物でも美味しく見える 果物も黄色が多い たんぽぽ色又は絹クリーム色も良い 一、紫色は品格と神秘を表す 源氏物語にも出て来る 桐とか藤の根は紫色の染料を取る 一、明るい緑色 以下記事は続きます。その他、焼き菓子の講習も勢力的に教えて頂き、ユーモアを交えながら五時間以上の講演を本当に有難う御座いました。
益々のご健勝とご多幸をお祈り致します。
神奈川県菓子工業組合広報部・亀岡肇