和菓子製菓技術講習会開催
テーマ『和彩季(季節を彩る和菓子)』
主催:一般財団法人北海道菓子協会(理事長長沼昭夫)講師:両口屋菓匠 清水利仲氏
北海道の和菓子職人の技術力向上と若手菓子職人に創作和菓子への取り組みを促そうと平成28年11月9日(水)㈱熊谷商店講習会場(旭川市)にて講師に清水利仲先生(㈲両口屋菓匠)を招いて『和彩季(季節を彩る和菓子)』をテーマに一般財団法人北海道菓子協会(長沼昭夫理事長)主催による和菓子講習会が開催され組合員も参加しました。
講習会では『味噌まんじゅう』『柚子の香(桃山)』『笹結び』『山づと』『干支羊羹〔酉〕』『大納言かすてら』といった来年の酉年へ向け一年を通して彩る創作和菓子をどのように取り組んでいけば良いかの手ほどきを受けました。講師の清水利仲先生は有名店で技術顧問をされ、中央技能検定委員、愛知県和菓子技能検定委員、全国有名製菓学校の講師であり三河和菓子技能士会技術顧問、名和会副会長にしてものづくりマイスター、選・和菓子職審査委員を務められており、全国菓子大博覧会をはじめ受賞歴が数多くあります。現在は国際交流でフランスへ和菓子講師として活躍中です。また、来年の伊勢菓子博にあっても工芸菓子展示など若手への指導育成に尽力され次世代への技の伝承に努められています。
講習の中で、和菓子を創作していく上で大切なことは……
①味覚を科学的に分析できるようになれるよう心掛ける事。
②その為にも、素材(材料)の特性を熟知できるようになっていく事。
③求めている『味』に対して簡単に妥協しない事。
……などを学びました。
全国屈指の名店として知られる両口屋は今から300年程前に東海道五十三次宿場現在の知立(ちりふ)で茶屋の入り口が両方あったことから両口屋と呼ばれるようになりました。和菓子が広がっていったのは、砂糖が庶民に流通し始めた江戸中期から後期にかけてと言われることから、和菓子の草分的な存在です。日本和菓子の伝統と歴史を遡るように学ぶことができ大へん有意義な講習会となりました。
一般財団法人北海道菓子協会では、1年間に2回の製菓技術講習会を開催しています。こうした機会を積み重ねて菓子職人の更なる技術力の向上と和菓子を志す若者への後押しを図って行きたいところです。
北海道菓子工業組合専務理事・久木利