佐伯市 お菓子のうめだ
お菓子で創る幸せの笑顔
大分県の南東端に位置する佐伯市は、九州の市町村の中では最大の面積を持ち、海、山、里が揃う自然豊かな地域にある。そんな環境や食材にも恵まれた土地で「お菓子のうめだ」を経営する梅田一弘氏は、地産地消をキーワードに素材の味を活かし、美味しいことはもちろん食べた人の体に優しい菓子をつくり提供することを心掛けている。
株式会社お菓子のうめだは、先代の哲也氏が昭和42年に開業した和菓子店が始まりで、その後順調に業績を伸ばし支店開設、アイスクリーム販売等を始めると高度成長期の波に乗り、ドーナツ専門店、鳥料理店、お好み焼き店、ハンバーガーショップを開業するなど、さまざまな飲食業種に進出し卸売と合わせて7店舗を運営するウメダ食品産業株式会社に成長した。しかし時代の変化に伴い大手チェーン店の地方への進出、人口減少等が影響し少しずつ集客も減り事業を縮小することとなっていった。ちょうどその頃大学生だった梅田氏は二代目として家業を継ぐことを決め、卒業後に東京の洋菓子店で二年間修業した後、佐伯市に戻り、まず自社の製造作業を習得した。事業も原点に返り菓子業一本に絞り佐伯市の中心市街地で和洋菓子の製造販売を行った。その後、平成2年に代表取締役に就任すると、商工会議所青年部、青年会議所、豊の国商人塾等、異業種交流に傾倒し、積極的に人の集まる場に足を運んでは情報交換を行い人脈を広げた。また、子育てとともにPTAにも参加し、市P連会長を数年間務めるなどした。
その頃全国で唯一、菓業青年会のなかった大分県菓子工業組合では、梅田氏に初代会長として若手をまとめてもらいたいと打診しており、PTA会長の任期満了により多少余裕が持てるだろうと、梅田氏が平成22年に菓青会会長就任を承諾することで大分菓青会設立の運びとなった。当初15名からスタートした会員は約7年経ち29名となっている。会長の人柄に魅かれ県下から集まった若手メンバーは各々親交を深め、平成30年に開催される当県で初めての九州ブロック大会を成功させるため一丸となろうとしている。
そんな頼まれ事を断れない性分の梅田氏は平成27年度から県菓子工業組合の副理事長、県中央会青年部会副会長を兼務し組合構成企業及び菓子業界の繁栄のために労を惜しまず活動をしているが、PTA時代から食育の推進等に携わっていることから、地元の学校から職場体験研修の申し入れがあれば快く応じ、お菓子屋さんの仕事ぶりを見てもらうのと同時に、食の安全性についても知ってもらうようにしている。梅田氏は以前から過剰なほどの添加物が入った食品を当たり前のように子供たちが口にしていることに不安を覚え、食品製造に携わる者として来店された方には自信を持って安心安全と言える菓子を食べてもらいたいと考えている。そのために厳選した原材料を使用し極力添加物を控え、手作りした商品を新鮮なうちに提供するというシンプルでわかりやすい方針をとっており、そうすることで念頭にある「お客様に笑顔を届ける」と言う菓子店としての目標に繋がっているとのこと。
現在は2006年にオープンした複合商業施設コスモタウンフリーモール佐伯の近くに店舗を移し、消費者の目線で消費者が求めるお菓子屋さんになれるよう努力を怠らず新しいことにチャレンジし続けている。
大分県菓子工業組合事務局長・早瀬大雄