緑陰
なめらかな弾力が特徴的な葛粉を使用した製品は、その食感故に暑い季節でも食べやすい和菓子と言えるでしょう。
今回は食感重視の葛蒸し羊羹と発色が上品な軽羹を組み合わせた上生菓子を紹介します。
〈葛蒸し羊羹配合〉(18㎝角枠)
葛粉 ……………… 75g
浮き粉 …………… 20g
水…………………250g
グラニュー糖……100g
小豆並餡…………200g
ハローデックス … 60g
食塩………………… 1g
蜜漬け大納言……150g
※ハローデックス:㈱林原商事
〈軽羹生地配合〉
粉末山芋 ………… 15g
上白糖 …………… 10g
水(イ) ………… 35g
グラニュー糖……100g
イスパタ………… 0.6g
水(ロ) ………… 50g
上用粉 …………… 65g
うぐいす鹿の子…120g
調整水…………………適量
【葛蒸し羊羹仕込工程】
①葛粉、浮き粉に水を徐々に加えながら手で溶かし、絹篩いに通してサワリに入れる。
②グラニュー糖、小豆並餡、ハローデックス、食塩を順次ホイッパーで混ぜ合わせる。
③中火に掛け、木杓子を使用して半返しにする。
※木杓子をサワリの底に押しつけながら固まった葛種をはがしていく。固まりが半分くらいになったら火を止めて手早く攪拌し、全体を均一にする。木杓子ですくって落とした時、つながって落ちる程度の粘りにする。返しが足りない場合は再加熱して調整する。
④火を止めて蜜漬け大納言を加え、ゴムべらで混ぜ合わせる。
⑤ビニールを敷き込んだ蒸し枠に流し込み、つゆ取りをして中火の蒸気で40分間蒸す。
【軽羹仕込工程】
①粉末山芋と上白糖をよく混合し、水(イ)を加えてホイッパーで手早く混ぜ合わせる。
(冷蔵庫で15分間ほど休ませる)
②グラニュー糖を徐々に加えながら、めん棒でよくすり混ぜていく。
③全体がふんわりとしてコシが少し弱まったら、水(ロ)の一部でイスパタを溶かして加え、残りの水を徐々に混ぜ合わせる。
④黄、青、挽き茶の色素で淡い緑色に着色する。
⑤上用粉を加えてめん棒で混ぜていく。
⑥調整水を使い、めん棒ですくってなめらかにつながって落ちていく程度に硬さを調整する。
⑦蒸れ上がった葛蒸し羊羹が熱いうちに流し込み、うぐいす鹿の子を散らして箸などで生地を被せる。
⑧つゆ取りをして弱火の蒸気で15分間蒸す。
【仕上げ工程】
①蒸れ上がって熱が抜けたら蒸し枠を外し、シリコン紙を被せて反転し、ビニールを剥がす。
②シリコン紙を被せて再度反転し、4・2㎝×2・8㎝に切り分ける。
専修学校 日本菓子専門学校 教育局通信教育部 小野礼司 教師