各地の菓子店探訪
宮城県菓子店の投稿

喜久乃家

地域に根差し、長年地元のお客様に愛される

姥杉(前)・もちぷりん(後) 今回は、東北・北海道ブロックの宮城県菓子工業組合青年部を牽引されているお二方とその会社(店舗)に訪問させていただきました。

 一人目は、実直な人柄でリーダシップを発揮し宮城県青年部の現部長を務めております鈴木政行さん。

 鈴木政行さんが代表取締役社長を務める「喜久乃家」(きくのや、有限会社喜久乃家)は、大正7年に宮城県栗原市築館にて創業され、長きにわたり地元のお客様に愛され続けている和洋菓子の会社です。主に和菓子の製造は御父上の政彦氏、洋菓子の製造は政行さんがされるというまさに羨ましい父子鷹です。更に、鈴木さんは宮城県洋菓子協会理事も務めるなど業界の発展にも貢献されています。

 店内には鈴木政行さんが制作した美しい「飴細工」が展示されており、洋菓子協会主催のコンテストでは常連の一人で、2010年東北ブロック協議会会長賞はじめ受賞多数。日々の商品製造はもとより、常に技術の向上にも精力的に取り組んでいらっしゃる努力を垣間見ることができました。同社の看板商品は「姥杉(うばすぎ)」と「もちぷりん」で、前者は二代目から続くロングセラー商品、後者は老若男女問わず人気を博している和洋折衷の商品です。

 ご本人に話を伺うと「地元の高校と東京製菓学校洋菓子課を卒業後、神戸市の神戸ドイツパンで修行中に阪神淡路大震災に遭遇し、腕や肺に大ケガをして入院したんです。でもそんな辛い時こそ『菓子を作れる喜び』を痛感し、パティシエとしての原点になっています」と語ってくださいました。そのひたむきな情熱で、今後も地元のお客様の心を満たすお菓子を作り続けてくださることでしょう。

店舗データ

喜久乃家
鈴木政行さん 栗原市築館薬師3―7―26
 電  話:0228―22―2815
 営業時間:8時30分~19時
(原則、水曜日休み)