大西屋
アマランサスで地域おこし
創業58年。今、2代目小池保彦さんが奥様と2人で和菓子屋さんをやっています。
昭和62年に現在の地に移転をして30年、地域と地産の原材料の、小麦・米類・みりん・木の実・雑穀・酒等を大切に使い商売をしています。
ここ10年程前にNHK大河ドラマ「風林火山」の時、舞台にもなり、地元の菓子組合で何か菓子を作ろうとなり、当時地元農協で力を入れはじめたけど農家ではいまいち消えてしまいそうなアマランサスを使えないかと。
アマランサスとは、雑穀でNASAが宇宙食に採用という「21世紀の主食」とも言われ、タンパク質の含有量が飛びぬけていて食物繊維もたっぷり。カルシウム、鉄分、リン、ミネラルも豊富な栄養穀物です。と信州大学の先生も言っています。
その実を加熱してポップしたものを使い、洋菓子のフロランタンをヒントに最中の皮につめて焼いた菓子を「風林火山」の山本勘助の名を頂き「サクサク勘助」を開発しました。
その後自店にても次々とアマランサスの菓子を商品化。今は「い~な雑穀町おこし」(アマランサス)として、「サクサク勘助」の他「伊那谷もちだに」「いれとるで」「山くるみそばクッキー」と全4種類を販売しています。
町の祭りや伊那市のイベント等にも出展をして好評を得ています。アンテナショップの銀座NAGANOや姉妹都市の新宿にも販売に行ったようです。他には先代からの名物「柏まんじゅう」は先代が幼い頃、母の作ってくれたおやつを思い出し作ったものを商品化したもので、山菜おこわ、そばとくるみ、つぶあんと3種、素朴なまんじゅうを柏の葉で包んだもの、看板商品です。他にも串だんご8種、どら焼き3種、ドーナツ、季節の朝生等盛りだくさん。当然高遠と言う事で信州産の小麦粉を使った高遠まんじゅうも人気商品です。
勉強熱心でもあり、菓子専門学校卒業生の県の校友会支部長という事で、県単位の講習会を先生を呼んで年1度は行っています。私も「困ったときの大西屋だのみ」と言いながら、新商品を作る時とか、失敗してどうしても思うように出来ない時など、相談して知恵を借ります。一緒に考えられて勉強になります、と言ってくれますがいつもいいアドバイスをくれます。
後継者、3代目は今東京で修行中だそうです。年金もらう頃には帰ってきて欲しいと言っています。
長野県菓子工業組合副理事長・長野県菓子工業組合上伊那支部長・福澤芳史