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残したい郷土の味と四季の和菓子

ぶどう餅、薬膳七宝具、渦巻 香川県は東讃地方東かがわ市の和菓子店正華堂です。

 当地は徳島との県境に位置し、東の交通の要所として古くから繁栄していた要で、主産業として日本一の手袋製造業、ハマチ養殖の商業化に初めて成功した事でも知られておりますが、和菓子には欠く事の出来ない讃岐和三盆発祥の地としても全国に知られてます。当地には和三盆、白下糖等を使用した菓子類が数多く有りますが、三町統合による当市引田町には古くより伝わる、ひなまつりの形式が残っており、棟切のミニひな菓子、ひな寿司等を作っておりました。その中に今も欠く事の出来ない物として渦巻(渦巻餅とも言う)が有り品物は(阿波ウイロウとコナシを合せた様な物)、小豆と白の生地を蒸し上げ延して鳴門巻とし小口切又は棹物とした物で冠婚葬祭には今も使われております。

 白鳥町の名物ぶどう餅(武道餅)は餅ではなく、その歴史は古く西の金比羅、東の白鳥と並び称された白鳥神社が有り、参拝者へのおみやげとして当地方のみで流通していましたが、今は交通の便並びに宅配の進歩により、県外の人達にも素朴な味が好まれ人気を博しております。

季節行事の細工物 端午の節句の鯉 その製造方法は(各店企業秘密)独特で他県では見た事が有りません(ヒントにした類似品は有)。品物は煮た小豆を磨り潰し何度も晒して灰汁と粘りを取り除き、固く絞り砂糖と合わせ餡玉とし、粉をまぶして四個を竹串に差し蒸し上げた菓子の原点の様な物です。

 四季の朝生上生類が主力ですが、季節行事の細工物の中に端午の節句の鯉が有り、練切で木型の緋鯉真鯉を、錦鯉ブームにのり練切の錦鯉が口コミで広がり今も予約注文を受けています。

 平成23年に、東かがわ市着地型観光商品開発事業が、国の地域活用事業プロジェクトを活用し発足し、当社も参加し地場産物当市発祥の和三盆・地元名所・日持30日以上という条件の元、商工会指導により26年に体にやさしい菓子として和洋折哀の薬膳七宝具を市のおみやげとして販売中です。

 今は季節感が無くなり、和菓子も年々減少していますが、代々伝えられて来た洋菓子にはない四季折々の和菓子を少しでも伝えられればと思っております。

 香川県菓子工業組合・大路征男

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