新技術で伝統を守る
お客様も社員も「ワクワク♪」したい!
81年前に創業し、和洋菓子の製造販売を行っております「株式会社セキト」がある能代市は、秋田県の北西部に位置し、日本海に面した、北側に世界自然遺産の白神山地を望む、海も山もある自然豊かな街です。当地には高校バスケットボールのインターハイ、国体、全国選手権(ウインターカップ)の三大大会で58回の優勝を果たしている県立能代工業高校があり、市をあげて「バスケの街」づくりに取り組んでおります。当社でも『能代工高バスケ部を応援!』と銘打った「バスケの街」という商品(ブッセ)を35年前から販売しております。
米どころ秋田の当地は、昔から「餅」を好んで食べる地域でもあり、当社の売れ筋商品にも餅菓子が多くあります。中でも秋田県産のうるち米を自家製粉した「生新粉」で作った餅に、北海道産小豆で炊いたこし餡を絡めた「能代名物 志んこ」は、創業当時から作り続けている、当社を代表するメイン商品です。この「志んこ」は保存料等は使わずに製造しているため、製造日当日が消費期限となっており、贈答や遠方へのお土産にお使い頂くには難しい商品なのですが、関東以西にお住まいの秋田出身のお客様等から「どうしても食べたいので発送してほしい」とのご要望が年々多くなっておりました。そこで新しい機械をつかっての実験や製造工程の見直し等を繰り返し、作りたての味と遜色ない状態をお届け出来ると確信出来たため、CASを導入致しました。創業80周年を迎えるにあたり、市内3か所に点在していた工場を1か所に集約するため、昨年新築・移転した新工場に設置致しました。導入後も幾度も実験を行い、今夏よりCASを使用した「冷凍志んこ」(地方発送限定)をいよいよ発売する予定であります。
人口減少と高齢化が進み、シャッターが下ろされた商店が増えた当地でありますが、地元のお客様のためにはもちろん、県外にお住まいの当社をご愛顧くださるお客様にも喜んで頂ける商品・店づくりを進めていくこと、また大切な社員の生活を守ることが当社の責務と思っております。80年もの間、当社が歩んで来られたのには、たくさんの事や物、関わってくださった方々の力のお蔭なので、日々「感謝」を忘れずに、今後も歴史や伝統を守りつつ、新しい技術や商品開発を行いながら、お客様も社員も「ワクワク♪」の店作りをしていきたいと思っております。
秋田県菓子工業組合監事・関戸優