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電話一本で組合員に生餡お届け

福島菓子協同組合

製餡工場 福島県菓子工業組合の組合員でもある福島菓子協同組合は昭和25年8月3日、中小企業等協同組合法に基づき正式に国より設置認可を受け発足し今年で設立七十周年を迎える事になりました。資料によると前身の組織は昭和6年ころよりあり戦争に入ると、砂糖、小麦粉などの配給制がしかれ店主の徴用などで製菓は全く途絶えたということです。戦後昭和20年11月法律第51号商工工業組合法が公布され、昭和22年福島菓子組合を設立し昭和25年に現在の福島菓子協同組合の創立総会を行ったと記録が残っております。当時の組合員は70名でした。

 以後組合では各種の事業を行ってきましたが、現在も組合員の為に行っている柱の一つが製餡事業です。従来、組合員が使っていた生餡の最大供給者である製餡事業者の製造する生餡が原料不足から次第に粗悪化してきて組合員の経営に支障をきたすことようになっていました。そこで、自分たちの使う餡は自分たちで作ろうというスローガンのもと、昭和29年3月生餡協同生産工場が完成しました。さらに平成元年には新工場が完成し現在に至っています。資料を調べますと、組合員の苦労や結束力があったから現在に至っていると改めて多くは故人となられていますが諸先輩方に感謝申しあげたいと思います。

製餡工場 製餡事業は現在も続いております。現在、多くの製餡事業者が抱える問題と直面しております。生餡を使う組合員の減少、ここ数年来の原料豆の高騰、品薄など数えあげればきりがありませんが、高品質の生餡を兼価で組合員に提供する姿勢は変わっておりません。小豆系の生餡には小豆だけを使用し、鮮度を第一に考え地元の製餡工場ならではの利便性で、組合員は必要な生餡を必要な分だけ電話一本をで届くと云うことになっています。当たり前の事ですがこれを維持する事は大変な事で、正に組合員の大きなメリットの一つです。以前からの製餡方法はありましたが、よりよい餡を作りおいしいお菓子を作っていただき、お客様に喜んで戴き、各店の売り上げが増え組合の売り上げも増やし、さらに餡の品質向上を目指すという方針で、現役員は当初自家製餡の経験はあるが製餡工場としての経験がほとんどなく、各組合員の好みや製造方法・管理方法など試行錯誤の連続でした。製餡業者の方を紹介していただき、教えてもらったりと大変な苦労は諸先輩方と同じく行っております。現在は県菓子工業組合員の会員企業にも使って頂いており、これからも正直でまじめな組合の製餡を続けていくつもりです。

 福島菓子協同組合代表理事・菅野嘉春

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