鮎菓子食べよー博
教え伝える技
岐阜市の観光に夏の夜、清流長良川で行われる鵜飼があります。篝火の灯す水面で鵜がとる鮎は幻想的な光景です。岐阜銘菓と言えば鮎菓子。鮎菓子の美味しさをもっと知っていただこうと岐阜商工会議所主催、岐阜菓子工業会共催で2015年から始まり、今年で4回目となった「鮎菓子食べよー博」を1日限りですがおこなっています。岐阜市内や近郊の和菓子屋が一堂に出店するイベントです。鮎菓子は年中通して販売している店と鵜飼のシーズンのみ販売している店とあります。このイベントは定番の鮎菓子に限らず各店がこの日のために考えたオリジナルの鮎菓子や自慢の菓子が一堂に並び販売をします。鮎菓子の実演販売から、職人がホットプレートを使い教える鮎菓子教室、店ごとの鮎菓子を食べ比べするなど年々お客さんの数も増えつつ賑わう一日です。
この業界の方々もあらゆる場所に於いて講師として和洋菓子を教えてみえると思います。私も新たな試みとして高校での和菓子の講師として月2回ほど授業をさせていただいております。岐阜市には高校から製菓と調理を学ぶ高校があります。製菓科は洋菓子と和菓子を学びますが、和菓子専門の教師は定席していないため3名の和菓子屋の店主が週替わりで授業を行っています。その一人として私も和菓子の基本、包餡の仕方、ヘラ包の仕方、蒸しもの、流しもの、焼き菓子、材料の説明など教えております。
初めて講師を頼まれたときは即答で「やってみます」とはいえず、一週間ほど返事をまってもらいました。職場体験などで2~3名ほどの生徒には1、2日の仕事体験で教えてはおりますが年間を通しての授業なんてとんでもないと自身がありませんでした。
毎日一人で面台に向い仕事をしている私にとって新たな挑戦ではありますが引き受ける返事をして早5年近く教えております。毎回黒板に今日の作る製品名とレシピが書いてありますが生徒からどんなお菓子だろ?なんて読むのだろ?食べたことある?と生徒同士の声が聞こえます。各テーブルの一人一人の饅頭の包餡する指の動かし方、饅頭の廻し方を見て指導しますが半年経てば綺麗に包餡をしていきます。生徒の声を聴くと洋菓子が好きと多くの生徒が言いますが、僕は和菓子が好きだからもっと和菓子を勉強して店を開きたいと家が菓子屋でなくとも自分の好きなことで目標をしっかりと持っている生徒もいます。
全国和菓子甲子園・貝印スイーツ甲子園出場など生徒は積極的に頑張っている学校です。
今後も次の世代に教え伝えていきたいと思っています。
岐阜県菓子工業組合理事・菓匠 豊寿庵・後藤 豊