各地の菓子店探訪
佐賀県菓子店の投稿

有限会社菓心まるいち

菓心伝承への思い

菓心まるいち・外装 今回は、私の地元佐賀のお菓子屋を紹介いたします。佐賀市内から車で約10分、佐賀大学医学部付属病院の近郊にある、有限会社菓心まるいち(昭和25年2月創業・代表取締役社長・市丸均氏)本店・2支店で、工場長を務める市丸剛氏(32)を訪ねた。まるいちの始まりは今から約70年前に祖父市丸徳造氏が、餅・饅頭の製造卸を創業、昭和55年「有限会社肥前餅本舗まるいち」として法人化する。平成5年会社名及び代表者変更に伴い「有限会社菓心まるいち」となり現在に至る。

 簡単に市丸剛氏を紹介しますと菓業青年部の若きリーダーとして信頼の於ける人材です。また、プライベートでは、妻・子供2人に恵まれて幸せな家庭を築いております。小中高と野球に明け暮れた学生時代でした。また、現社長均氏・子供3兄弟とも佐賀県立佐賀北高等学校野球部OBです。また、次男は、平成19年夏の甲子園で全国制覇を成し遂げており、野球一家でも有名です。

菓心まるいち・内装 そんなまるいちの原点は、"餅のまるいち"菓心伝承への思い。全国でも有数の米どころ佐賀で誕生し、今日まで伝統の技を守り続けております。その磨き上げた技の歴史は70年にも及びます。まるいちの原点はお餅屋、創業以来自然に育まれた原材料にこだわった餅を原点としながらも、日本古代の"餅菓子"の概念にとらわれず、和・洋の素材を融合させたさまざまな種類の新しい餅菓子を生み出しています。

 しっとりまろやかな餅菓子は、その食感となめらかな口当たりが特徴です。また、国産原料・自家製餡・職人技(手づくり)・五感へのこだわりを持つ昔ながらの和菓子屋です。

 店舗も和を強調した、(安らぎを感じる空間とお菓子)めぐり来る季節をこれまで以上に感じていただけるようなお庭、光を受けて輝く木々の吹き抜ける風、その一つひとつが優しく語りかけてくれる店舗です。

 商品も和菓子を中心に洋を取り入れたお菓子が、季節を感じさせる商品が常時20種類以上職人手で、精魂込めて作り上げたお菓子が店舗の中を鮮やかに並んでおります。その中でも「佐賀マンダリンゼリー」佐賀の風土で育ったマンダリン〝みかんの貴婦人〟と称される佐賀マンダリンの果肉と100%果汁を使用し、もぎたての美味しさをそのまま詰め込んだ新鮮な果肉とゼリーのサラっとした爽やかな口当たりが特長で、2017年全国菓子博覧会で観光庁長官賞受賞した商品です。また、「さがどら」こだわりのどら焼き、原材料にもこだわった商品、もち米は、農耕文化の発祥地としての歴史を誇る佐賀、その中でも吉野ケ里周辺の選りすぐりのもの。小麦粉は、地元の筑紫平野で収穫された昔ながらの石臼挽きをした上質のもの。小豆は北海道・十勝産の特選(雅小豆)。卵は久住高原で育った産みたてのものを毎日直送するなど、とことん原材料にこだわったどら焼きは、皮はしっとり・もちもちとした口あたりのやさしい食感で上品な甘さが絶妙の逸品である。色鮮やかな季節ごとに作られた上生菓子職人が一つひとつ精魂込めて作られた商品が常時10種類以上あり五感を楽しめる。最後に佐賀を代表する銘菓「丸ぼうろ」近年機械化が進むなか、毎日一枚一枚丁寧に焼き上げた丸ぼうろは、絶品中の絶品で一口口にすると優しい甘さと口どけのよさで何枚でもたべられる丸ぼうろだ。こうした原材料・職人技を大切にかつ伝統を重視した「菓心まるいち」名前の通り菓心伝承を守り永い歳月をかけて磨き上げてきた、伝統の技と新しい感性をこれからも新たなお菓子づくりに取り組んでいきますと剛氏は、熱く語ってくれました。

 全菓連青年部九州ブロック長・大串久昭