各地の菓子店探訪
徳島県菓子店の投稿

菓舗ふくおか

地元のお客様に愛され、業界の発展に貢献する

創業当時の「菓舗ふくおか」 今回は、徳島県鳴門市撫養町にある「菓舗ふくおか」さんにおじゃましました。店主の福岡賢治さんで3代目になります。昭和23年に祖母の絹子さんが、職人さんを雇って創業しました。福岡さんは組合活動も精力的にされ、現在専務理事を担当されています。福岡さん曰く、常々地元の方々に可愛がっていただいているので、お客様にご恩返しをしていきたい。多店舗展開するよりも、お客様が探してでも来てくれる店でありたい。今まで来てくれたお客様用の駐車場がなく困っていましたが、昨年店の前に10台の駐車場を構えました。ご年配のお客様にも大変喜ばれているそうです。

店主の福岡賢治さん 一番売れ筋の商品は、『お赤飯』。鳴門は徳島県の中でも珍しく、ほとんどの和菓子屋がごま塩ではなく「ごま砂糖のお赤飯」を販売しています。昔、鳴門は塩田が多く塩が豊富にありました。その反面、砂糖は手に入りにくく貴重で晴れの日くらいは砂糖を使いたいという事から、お赤飯に使われるようになったそうです。「生どら」も人気商品で、こしあん、粒あんと、季節ごとに変わる餡の3種類があります。自家製餡で作られる上生菓子は、月ごとに4~6種類が店頭に並べられます。京都の「仙太郎」さんで磨いた技術で作り上げられる上生菓子は大変評判で、コロナ禍の中、アマビエの練り切りを販売したところ可愛いと大変好評で、600個の注文が入った事もあったそうです。また阿波ういろも、昔ながらの製法で、無添加で作られています。

阿波ういろ 今まで、技能検定委員、ものづくりマイスターの小学校などへの出前授業、大学で13年間続いている和菓子講師など、後進の育成に携わってきた功績をうけて昨年11月に「阿波の名工」に選ばれて表彰を受けました。また、県も推進している事業でカンボジアに渡航し「ヤシ砂糖」の製造環境整備に貢献しました。これは全菓連青年部の褒賞制度で青年部部長賞を貰いました。

 今後も利益追求より、日々の仕事の中でお客様に喜んで頂く。菓子業界への貢献とお客様への感謝の気持ちを持ち続ける福岡さん。さらなる活躍を期待しています。

 全菓連青年部中四国ブロック長・岡澤孝浩