大丸屋製菓
和菓子の文化を未来へつなぐ
群馬県民が子供のころから親しむ「上毛かるた」に「沼田城下の塩原太助」と詠われる塩原太助は、郷土の誇る立志伝の人物です。
この塩原太助に因んで作られた「太助饅頭」、「多助俵最中」と「栗最中」餡三昧の三品が弊社の主力商品です。大丸屋製菓は沼田の城下町に明治25年に創業、後に株式会社として設立しました。
現在は沼田市内に2店舗、みなかみ町に1店舗を構えます。
「太助饅頭」、「多助俵最中」、「栗最中」はJR県内主要駅、関越自動車道のSAで取り扱いをいただいており、お土産品として広くご愛顧をいただいております。
直営店ではほかにもどら焼、羊羹、くずきり、餅菓子など日常の和菓子から、ムーンケーキやチーズタルトといった洋菓子まで製造しております。
また、上生菓子は季節の移ろいとともに週ごとに品を変えており、お客様の来店の動機となる商品として近年特に力を入れて取り組んでいます。
さらに、冠婚葬祭の引き菓子、誕生餅、節句の内祝等のご用命も多くあります。地域の皆様に愛される和菓子店を目指すとともに行事食としての和菓子の古き良き風習を未来に残していけたらと思います。
ドライブイン事業では、首都圏並びに新潟県の観光業者様に団体昼食のご提供、お土産物の立ち寄り販売で多くのお取引をいただいております。
和菓子の製造卸販売事業、直営店事業、ドライブイン事業の三つが株式会社大丸屋製菓の三本柱です。
私の菓子職人としてのキャリアは浅く、40代からの挑戦でした。父、母、弟と事業を継承してきましたが、弟の急逝により期せずしてこの仕事に就くことになりました。幼い頃から父の仕事ぶりは見ていましたが、いざとなると分からないことも多くありました。
一から学び直そうと仕事をしながら、東京製菓学校に入学して、二年間学びました。
仕事との両立は苦労もありましたが、新しい知識、技術を得る喜びがまさりました。
私が両立できたのも従業員のおかげです。一人一人の責任感とチームワークで一生懸命支えてくれました。
このコロナ禍で先の見通しが立たない状況ですが、三つの柱を軸によりお客様に喜んでいただく菓子作りを掲げて事業を発展させ、五代目に引き継ぐことが私の願いです。
また、弊社が所属しております沼田菓子組合がまもなく創設100周年を迎えます。その記念行事に向け企画会議を重ねております。
日頃お世話になっている地元のお客様に感謝の気持ちを伝えるとともに末永く地元のお菓子を愛していただけるような行事にしたいと思います。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
群馬県菓子工業組合副理事長・沼田支部・望月千秋