各地の菓子店探訪
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熊谷市鎌倉町 植竹製菓

コロナには負けません

植竹製菓店舗と店主 埼玉県菓子工業組合では全菓連を通し糯米の契約栽培を行っており組合員に糯米の販売を行っています。新型コロナウイルス騒ぎの中で皆様大変な思いをされているでしょうが、この騒動の最中に年末の糯米購入量を20俵30俵と大幅に増やしている店舗があります。今回はその熊谷市・植竹製菓を紹介します。

 植竹英之店主(38歳)にお話しを伺いました。

―お店の創業から教えて下さい―

 「創業は昭和29年で場所は市街地の熊谷市鎌倉町にあります。鎌倉町というのは終戦の日の朝に熊谷大空襲を受け一面焼野が原となった所です。熊谷市内で一番爆撃が酷かった所と聞いています。親戚が土地を持っていたので一部わけてもらい創業しました。私は高校卒業後違う職種に就職しましたが神奈川県等で3年間修行させていただいて2年前から店主として家業を継ぎました」。

植竹製菓メイン商品―家業を継承しようと考えたのは―

 「地元の大祭・熊谷うちわ祭りが好きで子供の時から出続けていました。祭りとはやはり商人の祭りです。そんな中で家の周りもシャッター通り化が進み何か寂しい感じになってきました。自分も商人に戻って少しでも祭りと周辺を活気づかせたいと一念発起しました」。

 植竹さんの看板商品は銘菓『実り来る最中』というプチ最中で、五色の皮に五種類の餡を詰めています。クルミ入り小豆餡・苺ミルク餡・抹茶ミルク餡・栗餡・オランジェット(チョコ)餡で一個35g税込150円です。次におすすめが銘菓『やわらかどら焼き』で小豆餡が220円で以下モンブラン餡・スイートポテト餡・ホワイトラムレーズン餡が各270円となります。その他和風ブッセ180円も好評いただいています。販売は自店舗の他に地元熊谷農協売店3店舗にも出していまして地元熊谷産もち麦を使った麦フロランタンの上の部分だけを最中皮に乗せた商品名『もなタン』150円を地産地消商品として新製品開発しました。

 新型コロナ騒動で菓子業界・特にお祝い品や仏事等のギフト商品に依存してきた和菓子業界の打撃が大きくギフト主体のビジネスモデルの変更を迫られています。今思いますと菓子業界最大の危機敗戦は柔軟な考えが出来る店が生き残りました。菓子業一筋できた人は発想が画一的になりがちです。今の危機的状況下では初期資金と設備は最初から有る家業菓子店ながら他業種を経験した人のほうが自由な発想をします。このような人が増えて自由な営業スタイルで自由な価格設定で突っ走ってくれる事が菓子業界の活気につながると思っています。

 埼玉県菓子工業組合副理事長兼専務理事・中島祥夫

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