かがわ菓子まつり・希少糖まつり2021
今回菓子工業新聞の香川県掲載当番にあたり、本来であれば店舗にお伺いして店舗のあゆみや新商品開発の取り組みなど、お聞きしたいことが沢山あるのですが、昨今の新型コロナウイルス(オミクロン株)の大感染の影響もあり、うかつに店舗様にもお伺い出来ない現状ですので、今回は昨年11月6・7日(土日)に開催いたしました「かがわ菓子まつり・希少糖まつり2021」の模様をレポートさせて頂きます。香川県菓子工業組合青年部最大のイベントでもあるこの催しもコロナが少し落ち着いた時期に最大限の対策を講じて開催する運びとなりました。同主催の希少糖普及協会さまと開催半年前から打ち合わせを重ね、コロナの状況が日に日に変わる度に対策も二転三転するなか、たまたま状況が落ち着いた頃に開催でき、とことん我の運の良さを実感致しました。
若い世代との交流
前回のイベントで全国和菓子甲子園の県内最終エントリーに残った3高校の生徒さんに販売応援に入ってもらいながら自分たちが作り上げた作品を販売する経験をする予定だったのが、その頃は運悪く蔓延防止期間中真っ只中で実現できなかったので今回の菓子まつりで3高校分の販売ブースを設けて生徒さんたちと限られた時間内ではありましたが、交流を深めることが出来ました。これだけで十分撮れ高あるイベントでした。冗談を交えながら今の我々に無い発想力、そしてすぐさま行動に移し替える実行力には何か青春ピチピチの遠き昔に忘れてきたモノを思い出させてくれる、初心に返る事が出来ました♪それもあってか高校生が販売に立つ時間帯には周りのお客様が一気に押し寄せ、各出店店舗の商品も含めレジに並ぶお客様で溢れかえり、あれよあれよという間に3高校の作品はすべて完売!!この時一瞬何人か自分の店にスカウトしようかと思うくらい売り切ってしまいました。ただ、ある高校の作品が1個だけツンと残っている。話を聞いてみると「これは後から校長先生が来るので確保してるんです」と。おぉぉ~!なんという聡明な心を持つ子達なんだろう~!こんなリアル青春ドラマなかなか拝見出来ませぬぞ。すっかり涙がナイアガラです!もし自分なら敢えてさっさと売ってしまうのに…。ハァ~つくづく自分の心が穢れている事を実感させられる一面でした。こういう普段の仕事では味わえない体験が出来る高校生販売枠は次回以降も積極的に取り組んでいこうと思います。
新しい商品をためす絶好の機会
毎年開催しているこの「かがわ菓子まつり・希少糖まつり」。今回で5回目の参加となる香川県菓子工業組合青年部、回を重ねるごとに売り上げも爆上がり♪ここ数年は青年部だけでなく親会の方々からも積極的にお声をかけて頂くようになり、出品数も毎年増え続け、何よりお客様も時期が近づいてくると問い合わせが増え心待ちにされるほどの最大イベント化する処までに成長して参りました。各店舗の代表商品も並ぶ中、「ここのお店、今までこんな商品作ってこ~へんかったのにぃ~やるなぁ♪」という新商品も多数並ぶようになり、また香川県が全国に向けて発信している「希少糖」を用いた商品も回数を増すごとに多く出品される事になりました。これには希少糖普及協会の方も大変ご満悦♪ただ大事なのはこれらの商品を作った後!ここでいつもしぼんでしまう事が多いと思います。勿体ないな~と思う事もしばしば。昨今の大規模のコロナウイルス感染拡大により、店頭に足を運ぶお客様の減少による店舗売り上げ減少の打撃は非常に大きいかと思います。その中でせっかくの機会に出品した新しく開発した商品をどういう形で展開して、途中修正が必要ならばしっかり改善して最終的にお店の商品ラインナップのどういう役割に据え置くのか、そういった戦略的開発は自分の店舗では積極的に行っているのですが、香川に移り住んで6年目、自分の店は大きく変わりました。そんな自分がこの様な事も含め発信していく事で県内の組合員が同じようになってくれたら、という希望もあります。
こんな時期だからこそ「菓子」で勇気を
今回のイベントでふと気になることが。お客様が商品を選んでいるときの笑顔、いきいきと元気に販売する高校生の笑顔、そしてお代を済ませて家路につこうとする家族の笑顔、これらをふと見ていると、この2年近く蔓延防止や国や県独自の緊急事態宣言発令…とず~~っと規制に対して我慢に我慢を重ねて、それを守って今日まで頑張ってこられた感をひしひしと感じ得ました。我々も商売をしていく中で大変苦しかったと思います、今でもまだ苦しいかと思います。でもそんな我慢の中でも一時のくつろぎ、美味しいものを食べる喜びや満喫感をお客様に提供できるのも我々しか居ないのです。ここ最近は和菓子・洋菓子垣根を越えて様々な商品開発がおこなわれて販売化されてます。お店の売り上げ向上への起爆剤という見方もありますが、これもすべてお
客様を笑顔に出来るから、喜んでもらえるから。それだけ「菓子」という存在は無くてはならないものだと考えております。えらい壮大なテーマみたいな話になってきたので一旦萎めます(笑)。
わが香川県には菓子に利用できる産物が沢山御座います。もちろん全国津々浦々様々な商材があるかと思いますが、この地域、瀬戸内の気候に準じた産物には特別なものがあり、これらを積極的に商品化して地産地消を推し進め、また付加価値商品として店頭に並べられるお店様は一時昔に比べてだいぶ増えたと思います。県内ではだいぶ流通してはいますが、まだまだ可能性がある香川県。他県から来た自分だから分かる可能性♪いずれは今回の様なイベントを県内に留まらず、県外でも発信できる機会があれば執り行いたいなと考えております。他県の組合員さんとの交流イベントも互いの組合員には大きな刺激にもなりますし、お客様の笑顔ももっと増える事かと思います。まだ当面はコロナの影響で難しい面も御座いますが、いずれは新たな販売方法も宜しいかなと。今年も気を抜かず、気負わず前に謙虚に攻めるべし!載せたい写真が多数あるので今回はこれくらいにしときます♫
香川県菓子工業組合・桑田剛史