各地の菓子店探訪
富山県菓子店の投稿

ボンリブラン

美味しい物を富山へ 富山らしさを全国へ

甘金丹美味三味 私はボンリブランの2代目の松井敏幸です。当社は創業者の会長松井信夫が、創業して来年1月で60周年を迎えます。現在富山県内にリブラン店が、17店舗、別ブランドのヴェルフヲンス店が2店舗、石川県に、トゥールモンド・シュシュ店を2店舗、計21店舗を展開しています。

 当時後発だった当社が、急成長したのは、富山で初めて生クリームを使ったケーキを作ったからだと思っています。富山にない美味しいものを富山の人に食べてもらいたいという一心で次から次へと新しいお菓子を作り続けて来ました。私が入社した創業20周年の年に、 生菓子中心の店舗から、洋菓子、和菓子、ギフト商品、和、洋のそれぞれの飲食部門を備えた総合店舗「リブラン総本店」をオープンし、進物用のお菓子を展開していきました。

甘金丹美味三味 2年後に、現在の本社工場がある南央町オムニパークに移転し、生産を拡大しました。

 平成元年に、代表銘菓「甘金丹」を発売し、富山にない美味しいものを富山へから今度は、富山らしさを全国へということで、薬都富山を象徴する薬と菓子を掛け合わせたネーミングの「甘金丹」、更にもう1品富山のお饅頭ということで「富也萬」というパイ饅頭をセットで売り出し、富山の代表銘菓そしてお土産として、広くご愛顧を頂いてまいりました。

 昨年12月に発売33年を記念して、「甘金丹」に新しい仲間を2種類加え、甘金丹美味三味として発売しました。それまでの1年半はコロナ禍で、旅行者もビジネス客もほとんどなく甘金丹も売り上げが激減して、何とかしなければと考えていました。お土産として売れないのであれば、富山の人にもっと食べて頂こうとなりましたが、今までも沢山食べてもらっているので、これ以上は無理という意見がありました。しかし私はそうは思いませんでした。なぜかというと以前地元の中学校にいろいろな職業の人が1年生にそれぞれの職業の話をする機会があって、私もパティシエの仕事の話をした時に、生徒さんたちに甘金丹って知ってますか?と聞いたところ、なんと半分くらいの子たちが知らないと答えました。その時二人の靴の営業マンがアフリカへ行ったとき、一人はみんな素足で生活しているので靴は売れないと報告し、もう一人はこれから沢山売れますと報告したというのを思い出して、当然みんな甘金丹のことを知っていると思っていたので、この時の半分の子が知らないという事実は、やり方によってはまだまだやれるということを示していると確信しました。そして美味三味として発売し、1ヶ月で甘金丹のプレーンは5%ほど減少しましたが、全体として20%増の販売となりました。今後も季節によって別の味の甘金丹を開発してお客様に喜んで頂けるように精進してまいります。

 富山市菓子工業組合会長・松井敏幸