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日本の食品を世界へ!

官民が協力して取り組む輸出対策

第55期通常総会 大阪府菓子工業組合主催による第55期通常総会が、5月19日(木)午後3時より、リーガロイヤルホテル2階山楽の間において開催されました。前半部は令和3年度の事業報告や会計報告、令和4年度の事業計画案審議などの議案について、後半部では近畿農政局 大坪正人局長(以下、「大坪局長」)を講師として招き「食品産業における輸出対策について」をテーマに講演会を開催いたしました。

 講演会では、まず「新型コロナウイルスによる労働力不足、ロシアのウクライナ侵攻による小麦等の供給不足、原油価格の上昇に伴うコスト増など、農林水産物や食品を取り巻く環境は非常に厳しい」と現況について話されました。その話を聞いて少し落胆しましたが、「明るいニュースもあります」と大坪局長がほほえみました。
 その内容は、日本の農林水産物・食品の輸出額が、9年連続で過去最高を更新し、2021年に政府の目標である1兆円を超えたことです。中国や米国などの輸出額が多い国で経済活動が回復に向かい、その結果、当地での外食産業が増え、小売店向けやEC販売等の新たな販路への販売が伸びたことで輸出増につながっているようです。

 また、これまでの政府が進めてきた輸出拡大に向けた取り組みも大きく、輸出証明書の発行や、輸出国との規制交渉、さまざまなプロモーション活動などが、輸出を後押ししていると話されました。

 政府は、輸出額の新たな目標として、2025年2兆円、2030年5兆円を掲げており、特に5兆円のハードルは高いですが、政府と民間が連係しながら世界へ"日本の食品"をアピールし、積極的な販路拡大に努めていくということです。

 その一つとして注目されているのが"日本の食品"輸出EXPOです。この"日本の食品"輸出EXPOは、農水省とJETROが協力・主催する輸出の専門展示会です。農畜産物・水産物から、飲料・調味料・加工食品まで、海外向けの食品を持つ400社以上が一同に出展し、世界各国から来場する食品バイヤー・食品輸出商などと商談を行います。また、実際に試飲食して比較検討できるため、効率的に仕入れができる絶好の場として注目されています。

 大坪局長による講演会の締めくくりとして、「国内需要は横ばいですが、輸出やインバウンド等の需要が伸びています。それらをしっかりと捉えて、"食の安心・安全"と魅力的な海外市場へ向けての販路拡大を強化していくことが望まれます」と話され、わずか30分ではありましたが非常に内容の濃い講演会でありました。

 大阪府菓子工業組合副理事長・森田政勝

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