ちもと
日本一の温泉観光地を守る老舗
小田原駅の箱根登山鉄道のホームで今日は何故かウキウキと旅行気分。本日は箱根湯本の湯もちで有名な老舗「ちもと」を訪ねて来ました。早速、お店に向かっていくと、お土産屋さんやお食事処、そして小田原と言えば蒲鉾屋さんと軒を連ねる、緩やかな坂道を行くと楓の木々が日陰をつくり、二、三人が座れるベンチと、野点をする様な赤の毛氈をひいたベンチが目に飛び込んできました。柔らかい素敵な空間でお茶菓子やお茶も楽しめるスペースになっています。その場に足を踏み入れると道に沿う流れの早川と須雲川からくる涼しい川風が心地よくて道中の疲れを癒してくれて思わず寄り道したくなりました。
そこの自然を取り入れた空間が、本日伺う事になっている「ちもと」のお店に併設されているお茶屋さんだったのです。丁度、コロナの緊急事態宣言解除後から二週間がたった頃で天気も良く暑かったので、観光客もかなり出ていたので、私は「ちもと」のお茶屋さんが箱根湯本のオアシスに感じてしまいました。
いよいよ私は、緊張気味で白い暖簾をくぐりお店にお邪魔しました。代表取締役の杉山隆寛様に「ちもと」の代表のお菓子の湯もちと八里のルーツを伺ってみました。「湯もち」は羽二重餅の様な軟らかい生地で、中に拍子木の様に切った羊羹を入れて煉りあげたほんのり柚子の香りがする柔らかなお菓子。温泉から立ち上る湯けむりと湯本に沿って流れる川の岩石をイメージして作られたそうです。
次に「八里」は江戸時代には参勤交代の際に箱根の山越えを阻んだので地元の馬子衆が熊除けの三個の鈴を腰につけて先導での活躍を誇りに思い、鈴の最中を考案したようです。
今現在でも先代の製法を忠実に守り、更に進化させて、より良い商品をお客様に食べて頂けるように従業員一同、思いやりをもって製造して優しい気持ちで販売していました。
神奈川県菓子工業組合広報部・亀岡 肇