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タイで日本のお菓子の文化交流会を行う

全菓連青年部近畿ブロック大会を開催

青年部近畿ブロック大会 第7回全国菓子工業組合連合会青年部近畿ブロック大会・大阪大会は、5月27日、ホテルモントレグラスミア大阪で開催され、約80名の青年部員が参加した。全菓連からは、福岡副理事長、槌谷青年部部長が参加した。

 大会では、青年部綱領唱和、愛の菓子斉唱の後、天野近畿ブロック長より「2月14日にタイのチェンマイ大学で日本のお菓子の文化交流会を行い、タイの大学関係者に喜ばれ、我々自身も良い経験になりました。日本のお菓子が、受け入れられ喜ばれることを参加者は感じました。日本は高齢化社会、人口減となり、供給過剰が続いています。その中で、菓子業界が菓子屋として生き残るには、お互いが切磋琢磨してこれからの日本を背負っていけるような、菓子文化を発信できればと思います。日本にとどまらず、世界に向けて発信できるその大本が日本の、近畿の各単組の皆様であればいいと思います。近畿7府県と言いましても、まだ全部の県が揃っていません。その残りの県の方も是非参加してもらいたいという思いと、参加していただいています各単組の青年部の皆さんがそれぞれの店で、それぞれの地域で、それぞれの県で活発に活動されて、それを持ち寄り近畿ブロックがますます盛んになれるように皆様とともに、頑張りたいと思いますのでご協力をお願いいたします」と歓迎の言葉を述べた。次に槌谷青年部部長より「我々青年は和菓子の世界、お菓子の世界でまだまだやれることは山ほどあると感じています。今まで以上に皆様にとって役に立つ全菓連青年部になることを目指したいと心より思っています。これから2年間かけて精一杯、皆様のご商売あるいは人間力の高まる何かに役に立てるような活動を展開していきたいと思います」と挨拶を述べた後、福岡副理事長より挨拶、近畿ブロック役員紹介があった。

タイ・チェンマイ大学で日本のお菓子の文化交流会 第2部では、橘プロジェクトINチェンマイ大学・日本菓子文化交流会報告がビデオで上映された。橘プロジェクトとは、約2000年前に垂仁天皇の命を受け、田道間守(たじまもり)が「常世の国」から持ち帰った「橘」が「日本の菓子の元祖」と言われることから、橘や菓子と様々な資源の融合により、日本の心の豊かさを世界に発信し、地域の活性化を図ろうとする各地の取組の総称。近畿経済産業局の助成事業でもある。タイ北部にあるチェンマイ大学の日本研究センター、家政学科との共同プロジェクトで、近畿ブロック青年部員が和菓子の歴史や文化、日本の安心安全なお菓子作りの講演会や和菓子の試食会、和菓子作りの体験教室を行い、チェンマイ大学生や教員、一般の方約200名が参加した。チェンマイは、首都バンコクの北方約720㎞にあるタイ第二の都市で「北方のバラ」とも称される美しい古都である。

 前近畿ブロック長の中島氏より「大阪も海外からのお客様がたくさんお見えになっています。ほとんどの方が、日本の食文化について興味を持っています。タイは、経済成長によりGDPで日本の三分の一位までになり、日本車が多く走っています。これから成長し、それに伴い日本に来られるお客様も年々増えていくので、タイを選びました。我々の菓子文化を世界にという部分が助成の対象となり、事業を行うことができました」と説明された。

 兵庫県菓子工業組合青年部竹本氏より「タイの方が和菓子を食べるのか調べたが、どらやきは知っている程度とのことで、実際にどのような反応を示すのか、日本学生と違って時間通り来ないとか、授業中席を立つようなことを聞いていたので、大丈夫なのか、自分に何が話せるのかと不安に思っていましたが、参加者は熱心に和菓子の歴史に興味を持ってお聞きいただきました。短い時間の中で、様々な種類の和菓子がある事にも興味を持っていただけましたし、質問もあり意識が高い方が多く、興味はあるが、食べたことがない、知らない方が海外には多いことが分かりました。タイでは、日本の蒸し饅頭が「MOCHI(もち)」と言う名前で売っており、最初に『もち』と名付けて売られ、それが広まったのだろうと思われます。まだまだ知らないことがあり、伝えないといけないこと、知ってもらいたいことがたくさんあると思いました」。

 大阪菓業青年クラブの津田氏より「当日まで準備の流れや人数の変更、学生の動向を聞いていたが、当日に学生とお菓子を食べてもらった笑顔を拝見しつつ、アンケートに協力していただいた。実際に行うと人との関わりができたことを感謝しています。こういう事業はお菓子屋の団体であり、青年だからできることと実感しました」。

 大阪生菓子青年クラブの松田氏より「外国で実演をするのは、言葉も通じないので不安でした。現地の設備について情報だけで、実際に行ってみないと分からない部分がありました。しかし、設備も道具も想像以上に調理のしやすい良い環境でした。日本で講習すると、初めて和菓子に触れ合うので苦労する方がほとんどですが、タイの方々は器用で、初めて扱うはずなのに、仕上げや扱い方において上手で、興味を前面に出し好奇心あふれる印象がありました」。

 京都府菓子工業組合青年部の北川氏より「松田氏同様器用と言うのは同じ感想で、日本の学生に講習するより上手に作られていました。初めて触る材料、初めてする作業で、通訳を通じて説明しているのにも関わらず、とても上手に作られ感動しました。タイで、石鹸を刃物などで加工しさまざまな花の形の民芸品を作る現場を拝見しましたが、そのあたりの器用さが出てきていると思いました。講習したのは日本の桜と、チェンマイが北方のバラと呼ばれているのでバラを作りました。材料や作り方の質問があり、日本のお菓子に興味を持たれていました。作るときも楽しそうで、抹茶と一緒に食べていただいた時も、とてもおいしそうに召し上がっていただいたのが印象的でした。事業として、お菓子を通じて海外の方と触れ合うのも初めてで、いろいろなことを吸収できて、勉強になりました」。

 天野ブロック長より「皆さんが参加されて、よかったよと仰っていただき、成功したと思います。前もって準備していてもタイではすべてうまくいかない国と言われていました。実際当日の参加者も、2~3週間前にならないとはっきり分からない状況の中で動きました。1歩踏み出さないと分からない、外に出てみないと見えない物が多々あったと思います」と報告があった。

 その後、兵庫県立政策科学研究所教授當間克雄様による記念講演(以後掲載)、記念撮影、関連協賛業者展示、銘菓展示会が行われた。

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