豆を使用した冷凍菓子の講習会開催
和洋菓子等6品目の実演
当組合では財団法人日本豆類基金協会より補助金を受け2月8日(木)に、大分市荏隈にある智泉福祉製菓専門学校にて、「豆を使用した冷凍菓子講習会」を開催した。
講師に伊那食品工業株式会社 開発本部より商品開発室 主任 荻原宏幸氏を招き、はじめに製菓材料の特徴や特性等を化学的な視点から解説し、豆についての話と合せて約1時間の座学を行った後、各種冷凍保存に特化した和洋菓子等6品目の実演を行った。
近年、食品製造業では製造原価の上昇もあり、製造効率の向上と食品ロスの削減が重要視されている中で同じ製品を一度にまとめて製造し冷凍保存することは多くの企業の生産計画に欠かせない手段となっているが、解凍し商品として販売する時点で製造直後の品質をいかに維持し鮮度を保てるかが大きな鍵となっている。そこで今回の講習会では、冷凍によって製品に生じる諸問題の原因から、冷凍によるダメージを最小限に抑えるために出来ることについて問題別に要因から説明した。加えて豆がテーマの講習会と言うことで増粘多糖類の説明の中で豆科の植物由来の多糖類の紹介等もあり、また大豆が主原料の味噌を作る工程で食塩を入れずに発酵させ粉末にした酵豆粉と言う珍しい調味料を使用したチーズケーキのレシピも有り、豆と冷凍と言う二つのテーマを上手くまとめ分かりやすい講義となっていた。
本講習会は組合関係者並びに製菓専門学校に通う学生が多く受講していたが、比較的若い参加者が多く基礎的なことから初めて知る材料等の情報まで興味深く耳を傾けており、時折挟む豆にまつわる話も興味深いもので、ダイヤモンド等宝石の重さを示す際に使われる「カラット」がイナゴマメ何粒分の重さかを基準としている等、古くから豆と人との繋がりが深かったことを紹介するなど終始なごやかな雰囲気で進められた。
また少量の材料でも製品に与える影響は大きく、各メーカーが作り手の要望に対応できるよう、日々研究を行うことで材料は進化し着実に菓子の品質向上に繋がっていることを再確認できた。
今回、講師に菓子職人ではなく、研究開発員を選定したことで普段とは少し雰囲気の違う講習会となったが、メーカーと若い作り手が気軽に直接話せるよい機会となり、回収したアンケートでの内容評価も高く、問い合わせや材料のサンプル依頼も多かったと聞き、改めて各所からの力添えのお陰で有意義な講習会を開催できたと感じた。
大分県菓子工業組合事務局長・早瀬大雄