各地の菓子店探訪
大分県菓子店の投稿

『変化とともに』

株式会社YUFUIN―ICHIZU

きんつば

 立春を迎え、暖かな日々が待ち遠しいこの頃。

 今回私が訪れたのは、大分県由布市湯布院にある、株式会社YUFUIN―ICHIZU。こちらの店主の川部雄一郎さんとは、第9回全国和菓子甲子園で知り合い、とてもフレンドリーな方で、色々なアンテナを持たれているので、毎回会うたびに刺激をもらっています。川部さんは、平成22年に個人事業主として湯布院に和菓子店を開業され、平成29年8月に法人成りを行い、株式会社YUFUIN―ICHIZUとして自社工場を設立されました。

工場内

 コロナ禍の影響は観光地ゆえに、特に大きく影響があり大変だったとおっしゃられましたが、コロナ禍が明け、観光客、特にインバウンドが中心で、円安も追い風となり、今後も益々の増加が予想される湯布院の観光地での、商品の有り方考え付加価値のある商品開発に取り組んでおられました。私が平日に取材に行った時も、川部さんから湯布院を色々と案内をしてもらいましたが、観光客の量が凄まじく、確かに今後より増えるだろうなと思いました。

 また会社の働き方改革として賃上げ業務改善助成金を申請し、大型ショックフリーザーを導入することでこれまで以上に生産性向上することができたそうです。湯布院も訪日外国人が増え、観光客の層が大きく変化する中で、新たな需要を満たす、お菓子作りに設備投資をしていきたいと熱く語られました。

店主の川部雄一郎さん(左)

 今後については、2025年大阪万博の開催など、訪日外国人の増加が予想される首都圏などにも販路開拓出来れば、大きなチャンスを手にすることができると今後の展望もお聞きすることができました。

 熊本・大分地震、九州北部豪雨による風評被害、コロナ禍など大きな影響で、観光客の減少に大きな影響を受け、回復するのには大変時間がかかったそうです。また国際情勢が緊迫すれば、観光客の減少にも大きく響き、リスクを回避するためにも、いくつかの販路開拓をする必要生も大事だとおっしゃられていました。

 経験をしたからこその、今があるなと思いました。

 今回取材の時間をとっていただいたのもかかわらず、湯布院をぐるっと一周案内もしてもらい、観光地ならではの話も書けないぐらい聞かせてもらいとてもいい勉強ができました。

 全菓連青年部九州ブロック長・伊藤頼信