『桃カステラ』団体商標使用に伴う認定審査会を開催
桃カステラは桃の形をした愛嬌たっぷりのお菓子です。
中国の「詩経」には、桃が多産の象徴的果実として謳われています。また桃の持つ強い生命力に、子供の健康、子孫の繁栄を願い、長崎では桃の節句はもとより、結婚、出産等の慶事には桃カステラを祝いの引き物として用いられてきました。桃カステラは、ここ長崎の地で中国文化と南蛮渡来の技術が相俟って、作られ育ってきたお菓子とも言えるでしょう。
長崎県菓子工業組合では、団体商標「桃カステラ」を平成20年7月18日に取得し現在に至っております。当組合では、この商標を使用している組合員に対し、基本的には5年に1度の認定審査会を開催しています。これは、商標の維持、管理に伴い商標の使用に値する商品であるかどうかを審査するものです。審査は、「焼き目揃い」「色彩」「食感」「食品表示義務の適合」の4点を合計100点満点で減点方式にて行います。審査員は、製造経験者を中心に10数名にて行い、審査員全員の合計点の平均値を計算し、合格点ラインの上下を確認し、合否を決定します。
この商標は、当組合加盟企業のみ使用できます。使用にあたっては商標使用許可申請書の提出、及び指定した日に開催される認定審査会においてその商品が合格することが必要です。合格企業には商標使用許可証を発行し、この許可証は5年間の有効期限を有します。
当組合では、5年ごとに留まらず、新規の審査申請があれば月に1度、役員が集まり経験豊富な知見から審査を行います。中には合格点に達しないものもあります。そのような場合は、悪い点を告知し、再提出を求めます。
また、当組合では定期的に桃カステラ製造講習会を開催して、組合員やその従業員の皆様に対しても、より良い商品の製造につながるように努めております。
最近では員外の商標無断使用の報告もあり、当該企業に対しては組合加盟を促し、それが不可能であれば法的な措置を考えてまいります。
現在では、県内のみならず、大手通販サイトやHP等へのお問い合わせ、ご注文が増加し、全国的にも知名度が上がってまいりました「桃カステラ」ですが、今後も団体商標の名に恥じない商品づくりと組合員の皆様の技術の向上と発展に繋がりますように組合一丸となって努力してまいります。
長崎県菓子工業組合専務理事・眞﨑晋一