各地の菓子店探訪
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老舗のバウムクーヘン専門メーカーとして挑戦

株式会社美松製菓

美松製菓 焼成

 昭和38年創業の株式会社美松製菓は、60年以上にわたりバウムクーヘン製造に特化してきた専門メーカーです。現在では100種類を超える多彩なバウムクーヘンを展開し、工場直売店では手頃な価格で購入できることから、地域住民を中心に長く親しまれてきました。自社商品の製造に加え、企業向けOEMにも早くから取り組み、現在ではスーパーマーケットのプライベートブランド商品も多数手がけています。

 同社が事業を本格化させた背景には、現社長がドイツ研修中に大手メーカーの役員と出会ったことがあります。この縁をきっかけに事業が大きく拡大しました。現在では売上の大部分をOEMが占め、安定した製造体制と品質管理の高さが評価されています。

バウムクーヘン

 こうした歴史を受け継ぎ、長年培われた製造技術を守りながらも、時代に合わせた商品開発や販路拡大に力を入れています。「消費者の嗜好は年々変化しており、常に新しい提案が求められています。自社商品・OEMのどちらにおいても、取引先様の要望に柔軟に応えられる体制づくりを重視しています」という想いです。

 同社では毎月複数の新商品試作を行い、各部署で試食・検討を重ねています。味の追求はもちろん、食感や形状、季節性など、他社にはないバウムクーヘンの可能性を広げることに挑戦しています。また、品質管理を徹底し、安定した製品供給を実現することで、取引先からの信頼を積み重ねてきました。

バウムクーヘン

 今後の戦略としては、インバウンド需要を見据えた販路開拓を進めています。百貨店や空港など、訪日客が多い場所への展開を強化し、適正な価格で販売できるチャネルを増やすことで、収益性の向上を目指す方針です。さらに、工場現場でのコミュニケーションを重視し、毎朝のミーティングで情報共有を徹底するなど、組織としての基盤強化にも取り組んでいます。

 「バウムクーヘン専門メーカーとしての誇りを持ちながら、次の時代にふさわしい価値を提供していきたい」。その想いを胸に、伝統と革新を両立させたものづくりで、これからも多くの人々に愛される商品を届けていく考えです。

 美松製菓株式会社専務取締役・佐藤嘉紘