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地元の幸「二子さといも」を利用した名物菓子を開発

芋の子かりんとう饅頭 岩手県北上市は、県中央部に位置し、県内随一の花見地と知られる「北上展勝地」を有する風光明媚な土地である。近年は、自動車関連産業の工場が立地するなど、元気のあるまちとなっている。

 北上市は「里芋」の産地として知られており、「二子さといも」という銘柄で各地に出荷されている。芋が生育される際にかしら芋と呼ばれる親芋が出来るが、地元でもほとんど活用されず、廃棄処分となっていた頭芋に着目し、この度名物菓子が新商品として開発されたので紹介したい。

 開発したのは、県菓子工業組合理事を務める阿部大司さん。地元の商工会議所が中心となってすすめられた新特産品開発のプロジェクトで、同市を代表する「二子さといも」の活用に関する多くのアイディアが出されたが、頭芋はサトイモの収穫を終えるとほぼ廃棄処分され捨てているものを何とかしたいと、阿部さんが中心となり菓子の試作が進められた。

 試行錯誤の結果、多くの客層に馴染みやすい「まんじゅう」とすることとし、皮は黒糖を使用し、肝心の頭芋は練り餡に用い生地は一度蒸し上げたものを油で揚げてかりんとう風味に仕上げた。餡は白ザラ糖と頭芋のみで練り上げ里芋特有の粘りなど食感を生かしつつ味わい深く仕上げた。

 「油との相性も良く頭芋のえぐみも取れ、あんばいが良い菓子に仕上がった」と言う。新作菓子は「芋の子かりんとう饅頭」(仮称)と命名され販売が開始されたが、早くもリピート客があり評判も上々。阿部さんが社長をつとめるかぎや菓子舗は、地元ならではの食材を利用した菓子を製造するなど、多くの馴染み客から定評がある。阿部さんは「まだまだ試行錯誤の連続だが、今後も皆さんに喜んでいただける菓子を開発して行きたい」と語っている。

 岩手県菓子工業組合青年連合会会長・小沢仁

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