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技術力向上を目指して

技能検定試験に挑戦を

技能検定試験 和菓子業界においては、菓子造りにおいてその深みと幅を広げるためには、どうしても職人的な技術力が必要不可欠です。しかし、企業としては採算を重視し生産性を上げるため機械化、作業単純化をはかろうとします。従って包餡手細工を始めとする基礎的な技術あるいは幅広い種類の種を扱える製菓技術を習得する機会が少なくなっているのが現状です。

 そこで、岡山県では業界の人材を育てるため組合事業の一つとして国家検定である技能検定受験に対応しています。特級、1級の技能検定の合格者に対しては厚生労働大臣名の、2、3級の技能検定の合格者に対しては都道府県知事名の合格証書が交付され、技能士と称することができます。例年9月下旬に受け付けられ翌年1月頃試験が実施されます。香川を始め他府県からも受験者があります。

 平成22年度後期試験は、㈱源吉兆庵の研究室を会場として行われ1級に3名2級に8名がこの難関に挑戦しました。種造りから始まる蒸し饅頭の製造、高度な技術を要する練り切り製品、羊羹の紋様埋め込み加工・餡すり込み加工、扇形羊羹包丁仕上げ、どら焼きの皮製造等々多種類の科目に3時間あまりをかけて日ごろ磨いた技術を駆使して取り組みました。結果の合格者は、1級が0名、2級が1名(21年度は、1級が9名2級が2名)でしたが、受験者の中から「日ごろの弱点がよくわかった、練習を重ねまた挑戦したい」との力強い言葉が出ていました。

 岡山県菓子工業組合においては、和菓子業界の伝統的技術の継承のためにも、技能検定制度を一つの目標とした研究会を企画したいと考えています。各事業所におかれましても前向きに取り組み、技術の向上につなげていただきたいと思います。

 岡山県菓子工業組合副理事長・宮武孝昭

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