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組合事務所を新築

雨降って地固まる

 佐賀県菓子工業組合は、 今年一月に組合事務所を新築することができました。 この難しい時期に、 難しい決断をするに至ったその経緯をありのまま記すこととします。 老朽化した組合事務所の問題に悩んでおられる方々の参考になれば幸いです。

 当組合の建物は、 和風建築で会議などの使い勝手が悪いうえに、 築後六十年を過ぎてかなり老朽化していました。 平成十七年には組合事務所検討委員会を設置し、 事務所の取扱いを検討することとなりました。 ①現地で新築する、 ②現建物を補修改築する、 ③現土地を処分して移転し賃貸物件に入居する、 などの案が検討されましたが、 それぞれに一長一短があり最終的な結論は得られませんでした。 何よりも問題なのは資金をどうやって工面するかということでした。

 事務所の問題はしばらく棚上げとなっていましたが、 平成二十一年夏に集中豪雨により大量の雨漏りが発生し、 さらに天井漆喰が崩落しました。 屋根の修理を依頼したところシロアリの被害が見つかり、 改修したとしてもこの建物を今後長期にわたって使用することは困難との診断を受けました。

 差し迫った事態により早期の決断が求められることとなりましたが、 いろいろな課題に業界として対処していくために、 将来にわたる組合活動の拠点として組合事務所を維持していこうと、 役員全員の考えが一致しました。 まさに 「雨降って地固まる」 なのです。 次に現在の財務内容や将来の組合費収入を考慮しながら、 現地に新築するか、 あるいは移転し賃貸物件に入居するか検討することにしました。 賃貸物件に入居すれば家賃を支払い続けなければならず、 これが固定費となって将来の組合費収入次第では財政状況を圧迫する恐れがあるので、 現在の組合員で負担できる必要最小限度の規模と設備で、 現地に新築することになりました。

 資金については、 総事業費七百万円のうち二百万円を佐賀市菓子組合が拠出し、 残り五百万円を商工中金からの借入により調達しました。 この借入金を返済するため平成二十二年度から五年間、 組合員には毎年五千円の賦課金を負担していただいています。 加えて有志の組合員からは事業規模に応じて年額十万円・六万円・三万円の特別賦課金を同様に五年間納付していただくことにしました。 特別賦課金をいただいた組合員のご芳名はプレートにして組合事務所内に掲示する予定です。

 この計画は理事会を経て平成二十二年度定時総会で承認され、 平成二十二年十月着工に漕ぎつけることができました。 しかし計画を進めるなかで一番大切なのは、 いかに一般組合員の理解を得るかということです。 理事会で話し合われた内容を、 各支部で組合員の皆さんにきちんと伝えていくことは簡単なことではありません。 ある程度の覚悟はしていましたが、 全組合員うち二割が負担増を理由に脱退するという残念な結果となりました。

 一方で組合員全員が、 組合の存在意義を見つめ直す良い機会になったと受け止めています。 組合組織が組合員に何をしてくれるかを問うことよりも、 組合員が組合組織をつかって何かできるかを自ら考えることがもっと大事ではないでしょうか。 まさに新しい組合事務所をつくって何ができるかと問われているのです。

 佐賀県菓子工業組合専務・香月道生

 

組合事務所データ

構造:木造木骨・ベタ基礎・サイディングボード壁・折板屋根
設備:全 体 46.37㎡ (14.1坪)
   会議室 19.87㎡   (6.0坪)
   事務室   7.37㎡   (2.2坪)
   倉 庫 11.59㎡   (3.5坪)

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