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富岡製糸場とともに

地元らしさにこだわった商品

くず湯 まゆこもり 明治五年 (一八七二年)、 富岡の地に、 日本で最初の官営製糸工場 「富岡製糸場」 が創建されました。 約5万5000平方㍍の敷地に、 木で柱と梁を組み、 壁にレンガを積み入れて造る 「木骨レンガ造」 の繭倉庫や操糸場など、 当初世界最大規模を誇った建造物群が良好な状態で保存されており、 近代日本を象徴する建造物として、 数百年の時を経た今もなお圧倒的な存在感で訪れる人を魅了しています。

 明治政府により、 近代化の一翼を担うべく建設されたこの 「富岡製糸場」 を核として構成されている群馬県の 「富岡製糸場と絹産業遺産群」 は、 二〇〇七年一月ユネスコの世界遺産暫定リストに登録され、 現在世界遺産登録を目指しています。

 この富岡製糸場のある地元富岡をPRしたいと、 当店では昔から地元らしさにこだわった商品作りを心掛けてまいりました。 そのひとつが真っ白い繭の形を模した 「くず湯 まゆこもり」。 製糸場の創建より遡ること天保四年。 地元徳川七日市藩の 「公用日記」 に 「例年、 笋 (たけのこ) を献上していましたが、 近年は笋が不作となってしまいましたので、 代わって今後在所の珍しい葛粉を献上品としたい、 という七日市藩の伺いに対し、 伺いの通り葛粉献上あるべし、 と返答があった」 旨の記載があり、 「富岡製糸場」 の繭と、 この史実に基づいて、 試行錯誤の末出来上がった商品です。 「まゆこもり」 が考案された時には、 民間に払い下げされた製糸場がまだ操業し、 生糸を生産していた時。 当時は地元富岡のPRといえども、 正直、 富岡製糸場が世界遺産の候補にまでなるとは考えも及びませんでした。 世界遺産登録というと、 市を超え県や国を挙げての一大運動。 とてもスケールの大きい話のように感じられますが、 当店は昔と変わらぬスタンスで。 微力ながら地元のPRをという気持ちをもって、 製糸場の世界遺産登録を祈りつつ、 今後も地元らしさにこだわった商品作りをしていきたい、 そう思っております。

 群馬県菓子工業組合副理事長・江原徹

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