各地の菓子店探訪
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宿毛市 森福助堂

「寒菊の里」によせて

森福助堂 私は、高知県の西南端宿毛(すくも)で和洋菓子の店を営んでいます。

 宿毛市は、高知・愛媛県境に位置する温暖な気候と豊かな自然が満喫できる町です。

 また、雄大な自然に育まれた宿毛は城下町として長い歴史を誇り多くの史跡や文化財が残っており、散策も楽しむことが出来ます。

 「花磯にすくも焚く煙たなびく風景…」それが宿毛の地名の由来であろう、と宿毛市史は伝えています。海辺に打ち上げられた藻や枯れた葦をすくもと言い、それを燃やしたすくも火で塩を煮る、はるかな昔の人々の平和な暮らしが目に浮かびます。

 霊峰篠山(ささやま)に降った雨は35キロ余の清流松田川となって台地を貫き一気に宿毛湾に注ぐ。そんな地形が海、山、川にあふれる宿毛の幸を受け、美しい自然と共に淳厚素朴な人情を今に伝えています。

寒菊の里 宿毛の自然が産んだ傑作の一つに土佐寒菊があります。その端正な葉姿は年中緑を保って光沢に富み、花容は凛(りん)として神秘な色彩を誇り、独特の芳香を発して人を魅了することで珍重されますが、特に松田川の上流近くの西谷山は、寒菊の最高峰をゆく逸品銘花の産地として、全国に知られています。

 弊社は寒菊のもつ清楚、華麗、脱俗の気品を形と風味に生かすため試行を重ね、昭和59年市制30年記念の年に宿毛郷菓「寒菊の里」を完成、今現在、郷土銘菓として販売しております。宿毛へ御出での節は何分にも宜しくお願い申し上げます。

 高知県菓子工業組合宿毛支部長・森福助堂店主・森光俊

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