各地の菓子店探訪
愛媛県菓子店の投稿

愛媛県松山市 巴堂本舗

日々発見・チャレンジ

ジャンボ坊っちゃん団子(上) 今回訪れたのは、日本でも有数の温泉地であり、あの夏目漱石も愛したといわれる愛媛県松山市にある道後温泉です。道後温泉は開湯3000年の歴史があり、日本最古の温泉として知られています。

 その道後温泉の商店街は平日でも多くの観光客で賑わっていて、とても活気のある雰囲気があります。その商店街の一角に戦後から店を構えている巴堂本舗を訪ねてきました。お店は店先から工場での作業を見ることのできるオープンキッチンになっています。これは創業からの造りだそうです。今回お話を伺ったのは巴堂本舗の4代目大橋成行氏です。

 松山の土産といえば、タルト、坊っちゃん団子が有名です。もちろん大橋氏のお店でも主力商品となっています。巴堂本舗のタルトはカステラ生地はしっとり、中の餡はゆずジャムを使っていてとてもしっかりとした味わいに仕上がっています。

 坊っちゃん団子も求肥をあんこで丁寧にくるんで串にさし、とても上品な甘さに仕上がっています。お茶うけにとても喜ばれているそうです。坊っちゃん団子の由来は夏目漱石が明治の頃、松山の中学校に英語教師として在任中道後温泉に入浴したあと団子を気に入って食べていたそうです。その後の作品小説「坊っちゃん」にちなんで名づけられたそうです。ここにも歴史を感じることができます。

 そして巴堂本舗にはもう一つの主力商品があります。それは普通の坊っちゃん団子の10倍はあるかと思われる「ジャンボ坊っちゃん団子」です。見た目にもインパクトがあり、評判もいいそうです。この「ジャンボ坊っちゃん団子」は3代目の大橋昌三氏が瀬戸大橋の開通にあわせて販売を始めたもので、一つ一つ手作りでつくられています。

 店先に見本を飾っていますが、修学旅行の学生などの観光客の方々が立ち止まって写真を撮り、土産に買っていかれるそうです。今でも月に一度は取材が入ると大橋氏はうれしそうに話してくれました。店頭には取材にきた多くの有名人の写真もありました。

 最後に大橋氏は菓子作りを楽しみ、自分の作った菓子をお客様に喜んでいただけて笑顔が見られることを仕事の糧とし、これからは季節にあわせた菓子作りをしていき、お客様特に若い方々にアピールしていきたいとおっしゃっていました。日々新しいことを発見しチャレンジしていく大橋氏の姿勢を私も見習いたいと感じた取材でした。

 残念ながら今回は道後温泉で入浴もできず取材のみになってしまいましたが、また来たいと思わせる雰囲気のあるまちです。皆様もぜひ足をはこび道後温泉で入浴して、巴堂本舗の「ジャンボ坊っちゃん団子」をご賞味ください。

 中・四国ブロック長・高橋宏暢

巴堂本舗

店内の様子愛媛県松山市道後湯之町13-7
TEL  089(941)3452
FAX  089(941)3648
営業時間 8:00~22:00
定休日  水曜日