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頼家のお菓子再現プロジェクト

江戸時代の菓子文化を紹介

 旧年中はひろしま菓子博2013の開催に向けて格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。いよいよ開催まで3ヵ月となりました。引き続きご支援ご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。

 さて、菓子博実行委員会では、現在「頼家のお菓子再現プロジェクト」に取り組んでいます。

 江戸時代後期を代表する歴史家、思想家、詩人、文人として名高い頼山陽は1780年大阪に生まれ、翌1781年から約30年にわたって広島で暮らしました。そのご縁で、広島には当時の居宅を復元改修して造られた頼山陽史跡資料館があります。

 頼山陽の母、静子もまた和歌や書を能くし、当時の暮らしぶりを記した『梅颸日記』(「梅颸(ばいし)」は静子の雅号)を残しています。

 その日記を見ると、ほぼ毎月のようにお菓子に関わる記述が出てきます。静子お手製の草餅やわらび餅、粽をはじめ、到来物の蒸羊羹、煎餅、あるいは知人が京都や大阪から手みやげに持ち帰った饅頭など、じつに多種多様なお菓子が登場して驚かされます。中には、今も当時と変わらぬ製法・姿かたち・菓銘のまま販売されていると思われる品もありました。

 江戸時代後期は全国各地で文化交流が進み、経済活動も活発だったといいます。地方の城下町であった広島においても、菓子文化が成熟し、人々の生活に根付いていたということでしょう。

 そこでこのたび資料館から依頼があり、菓子博の開催にあわせてこれら頼家ゆかりのお菓子を再現し、資料館で展示(できれば試食や販売も)することになりました。お菓子を切り口に、頼山陽が生きた時代を紹介する試みです。

 候補に挙がっているのは、蚕豆(そらまめ)羊羹、うづら焼き、杢目羹、生姜煉など。再現したお菓子は、菓子博の会場でも展示したいと考えています。

 二百年以上も前から、どれほど豊かな菓子文化が花開いていたかを知っていただく機会になれば幸いです。

 広島県菓子工業組合青年部会長・竹内恒彦

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