黒糖わらび餅
わらび種の魅力は独特の色艶、風味、プルンとした食感である。ここで紹介するわらび餅は本来、春先のお菓子であるが、その清涼感ある色艶から最近は9月頃まで販売しているお店がある。お店によって様々な仕上げ形態があるようであるが、ここでは黒糖風味のわらび種で道明寺種を包み、きな粉をふって仕上げてみました。
【道明寺生地】(約40個分)
道明寺粉………………200g
三温糖 ………………… 20g
黒砂糖 ………………… 80g
※黒砂糖は細かいもの
【わらび生地】
わらび粉 ……………… 56g
葛粉……………………… 7g
白玉粉…………………… 7g
グラニュー糖…………140g
黒砂糖 ………………… 42g
トレハ ………………… 28g
水 ……………………… 70ml
熱湯……………………280ml
【中餡配合】
小豆生餡………………400g
水………………………280ml
グラニュー糖…………190g
トレハ ………………… 50g
食塩…………………… 0.8g
わらび生地 ……… 約15g
道明寺生地 ………… 15g
中餡 ………………… 15g
※純粋なわらび粉はかなり貴重で高価なため、一般的には他の澱粉(甘藷澱粉、れんこん澱粉など)を混ぜた粉を使用しているお店が多いのではないでしょうか。この製品に使用したわらび粉はれんこん澱粉、本わらび粉、加工澱粉のミックス粉です。
【道明寺生地工程】
①道明寺粉を水に漬け吸水させて、良く水を切り約15分蒸す。
②ボールに三温糖、黒砂糖を入れ、蒸し上げた①を入れ混ぜ合わせる。
③休ませて砂糖蜜を吸わせる。
④再度、約10分蒸して中餡を包餡して丸める。
【わらび生地工程】
①サワリにわらび粉、葛粉、白玉粉を入れて水を徐々に加えて溶く。
②グラニュー糖、トレハ、黒砂糖を加え、なじむように良く混ぜ合わせる。
③火にかけて沸騰したら熱湯を加え本返しにする。
④あら熱を抜き、水切りを手に付けて中餡を包む。
⑤きな粉を敷いた取り板の上に並べて、上からもきな粉をかけて仕上げる。
●わらび種の仕込工程のポイント
①の工程で粉類を水溶きする時は水を徐々に加えダマを作らないようにして下さい。
②の工程が不十分な場合、火にかけ沸騰した時点でなじんでいない部分だけがα化してしまいます。この仕込方法は熱湯を加えて一気に全体をα化させる方法です。
③の工程で熱湯を加えた後、ヘラを入れ過ぎると空気が入ります。また、包餡は熱のあるうちに行って下さい。
日本菓子専門学校 福本圭祐教師
和菓子講習 基礎編より