草餅
〔生地配合〕
上新粉…………………………500g
生新粉…………………………500g
水……………………………約700ml
上白糖…………………………200g
茹で蓬………………………約100g
(ゆるく絞ったもの)
*生新粉を加えると弾力、歯切れ、風味が良くなります。手に入らない場合は上新粉のみでも問題ありません。
*茹で蓬は冷凍蓬が便利ですが、風味や色合いを良くしたい場合は、生の蓬から仕込んだ方が良いでしょう。蓬を摘む場合は柔らかい葉先の部分のみを摘み取ります。
〔蓬の茹で方〕
①葉をていねいに洗う。
②大きめの鍋に湯を沸騰させ、蓬を入れる。
③アク抜きと色出しをするため重曹を少量(湯量の0・1~0・2%)加える。
④色よく、柔らかくなるまで茹でる。(5分間位)
⑤色止めするために冷水に入れる。ザルに上げて軽く水切りをする。
⑥包丁で細かく刻む。(直ぐに使わない場合は冷凍保存する。)
〔中餡:小豆漉し並餡または粒並餡配合〕
小豆漉し生餡または粒生餡…1000g
グラニュー糖…………………600g
水……………………………約600ml
*やや硬めに練り上げます。
*好みにより食塩を適量添加します。
〔生地仕込〕
①粉類をボールに入れ水を加えて良く捏ねる。
②セイロに絞った布巾を敷き、①を均等にちぎって並べ強めの蒸気で40~50分間蒸す。
*ちぎり方を小さく薄くすると短時間で蒸すことができます。蒸れ具合は芯まで透明感があり、食べてみて粉っぽさを感じない状態まで蒸します。
③臼に入れて良く搗きまとめ、全体が均一になったら砂糖を2~3回に分けて加えながらその都度全体に搗き混ぜます。
*一度に砂糖を加えると飛び散ったり、生地がまとまらなくなることがあります。また、熱が抜けると砂糖が混ざらなくなりますので手早く搗き混ぜます。
④蓬を2~3回に分けて加えながら搗き混ぜる。生地が硬い場合は水で調整する。
*生地の熱が抜けると少し締まるので、やや軟らかめに突き上げます。柔らかすぎると歯ぬかりする生地になってしまうので注意します。
⑤食ロウを使い、33gに種切りする。
⑥中餡17gを包み、成形して仕上げる。
〔成形〕
くわい形:包み口をつまみ上げ、3本指で挟んで上部の生地をちぎり取る。
蛤形:生地を楕円に伸ばして餡玉を中央に置き、両手の平の縁で生地の合わせを挟んで形取る。
巾着形:生地を大きめの楕円に伸ばし、餡玉を中央に置いて挟む。合わせ目上部の左右を両手の人差し指と親指でそれぞれつまんで左右に伸ばし、Sの時を描くようにもどして合わせる。
木魚形:くわい形と同様に包み上げ、2本指でつまんで上部をちぎり取る。
【雛祭りと草餅】
雛祭りの起源は中国とされていますが、日本の雛祭りは平安貴族の“雛遊び”が由来とされています。江戸時代に、節句(上巳)としての“雛祭り”になり、武家から一般大衆にも広がりました。旧暦では桃の花の季節(4月)ですので、“桃の節句”とも言われています。雛祭りのお菓子としては、現代では桜餅やひなあられが一般的になっていますが、始まりは草餅とされています。中国では邪気を払う力があるという“母子草”(春の七草の一種ごぎょう〈キク科〉)を使った草餅を上巳の節句に食べる風習があり、これが平安時代に日本に伝わってきましたが、母と子が杵で搗かれるのは情に欠けるということで、室町時代の中頃には同じようないわれのある蓬が使われるようになりました。江戸時代には雛祭りのお菓子となり、菱餅の生地にも使われるようになりました。製品としては糯米製のもと新粉製のものがあります。
専修学校 日本菓子専門学校教育局通信教育部部長 小野礼司 教師
和菓子講習 基礎編より