山口県の食と工芸展
鳥取の優しい県民性を感じる
コロナ禍において菓子業界が受けたダメージはかなりのもの。立ち上がったと思ったらまた足元が崩れていく。緊急事態宣言に振り回され、特に観光地と公共交通機関の菓子にとっては想像するにあまりあります。
そんな中でいかに販路を広げるか、発掘するか。県内の市町や特産品の製造者で構成される山口県物産協会も菓子組合同様に知恵を絞っています。そこで、白羽の矢が立った場所はコロナに対する効果的な対策が全国で有名になった鳥取県。平時なら鳥取砂丘を見て日本海と温泉とすなば珈琲。ですが、販売の合間に気分転換に堂々と街を歩ける雰囲気でもありません。このご時世に経費を思えば出展者も勇気がいります。しかし物産協会の熱烈な要望を受けて組合員4社が参加したのはゴールデンウイーク前に鳥取大丸で開催された「山口県の食と工芸展」。
工芸品として赤間硯や大内塗など。食として瓦そばに岩国寿司にかまぼこ、鹿野ファームのベーコンなど。菓子としては御堀堂は歴史を誇る生ういろう。あさひ製菓は月でひろった卵。深川養鶏場は鶏卵せんべい。きれん製菓は生ういろうと山焼きだんご。きれん製菓においては県内各地の銘菓も販売してくれる思いやり。どら焼きにもなかにふるさとのまんじゅう数種に夏みかん菓子を抱えていざ鳥取の地へ―。
一週間販売に従事した皆さまのご感想は・・・足が痛いではなく、とてもよかったとのこと。それじゃ記事に・・・もっと詳しく。お客様の温かい声に包まれたよ。温かい声とは?「自粛が続く中、物産展が気分転換になった」「鳥取まで来てくれてありがとう」「広告を見て待っていた」など販売者を思いやるお言葉の数々にうるっと来たらしい。
売り上げは?「・・・」。「売上以上にお客様の良さに感激した」。そうです。お菓子が人の癒しになり、鳥取の優しい県民性を感じた「本当にいい物産展だった」と話しました。
鳥取大丸には鳥取県物産協会の会長も務める小谷理事長も駆け付けくださいました。山口大学出身の奥様が「懐かしい、おいしい」と喜んでくれたそうで。お菓子は思い出があると、よりおいしくなります。小谷理事長はご挨拶とお励ましだけでなくSNSで宣伝してくれたうえ、出店者に亀甲や特製鳥取ブランケーキを差し入れしてくれる思いやりに皆さん大感激。この物産展は菓子屋の経験値を上げた一週間だったようです。最後に(今後への忖度)山口県物産協会は随時会員募集中です。
山口県菓子工業組合専務理事・恒松恵子