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歓迎 全国煎餅協会全国大会

せんべい所 鳥取で5月開催

生姜せんべいと寿を焼きこんだ煎餅 鳥取県米子市の皆生温泉で5月22日に全国煎餅協会の全国大会が開催される。野村泰弘会長や、全国菓子工業組合の田村副理事長はじめ煎餅協会の皆様のご来鳥を心から歓迎申し上げる。

 鳥取県の会員は鳥取市の三社と境港市の一社。数は少ないがいずれも一騎当千の強者ぞろい。それには理由がある。鳥取には独特の煎餅文化があるからだ。鳥取県東部地方では婚礼の時、近所の人々に煎餅を配る習慣がある。昔はお嫁さんが、花嫁衣装で実家からでる時、手で配っていた。さすがに最近は袋に入っているが。婚礼以外にも鳥取県東部地方では煎餅はお祝いに欠かせないお菓子である。学校の入学式や卒業式では校章の入った煎餅が配られる。

 「生姜せんべい」は鳥取県を代表するお菓子の一つである。緩やかな波状は、砂丘の風紋を、そして、刷毛で塗られた生姜砂糖は、砂丘にうっすらと降り積もった雪と日本海の白波をあらわしている。

 鹿野城主の亀井公が朱印船貿易により東南アジアから生姜を移入し、現在の鳥取市気高町で栽培を奨励した。今では、収穫した生姜は「しょうが穴」で半年以上も貯蔵し、土のなかで熟成させている。この工程が生姜の美味しさをさらに引き出している。

 現在では、鳥取市のいずみ屋製菓が昭和23年の創業時より、生姜せんべいを焼き続けている。全国煎餅協会の藤縄副会長は城北たまだ屋の社長。砂丘の撮影のたびに来店した写真家の植田正治は、城北たまだ屋のせんべいを亡くなる日の朝も食べていた。

 城北たまだ屋の本家であり全国煎餅協会の藤縄顧問が経営する玉田やは、祝や寿や校章を焼きこんだ煎餅など、歴史と味覚でお祝い煎餅の筆頭。

 鬼太郎ロードでおなじみの境港市にある赤石商店は鬼太郎煎餅や激辛煎餅が人気。羽織袴姿で尺八を吹く社長が鳥取県総合芸術文化祭のポスターになった。

 5月の皆生温泉から新たな煎餅文化が発信されることを切望する。

 鳥取県菓子工業組合理事長・小谷寛

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