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海外からのお客様をお迎えする菓子業界

 昨年2017年の1年間に日本を訪れた訪日外国人の人数は、2016年に比べて19・3%増の2869万1000人と伺いました。そのトップは、やはり中国で、735万6000人、次いで韓国が714万人、また台湾の456万4000人と香港の223万1500人を加えた東アジアからの訪日人数が2129万2000人に達し、全体の約7割を占めたようです。

 また、ビザの緩和効果で、2017年はロシアからの訪日客が40%増と大きく伸びたそうです。

 またそれに伴う消費も4兆4161億円というとても大きなものです。

 東京オリンピックの開催される2020年の目標数は、4000万人とも言われています。

 アジア圏以外からの訪日も、欧米からの旅行者の増加に期待するところも大きな可能性を秘めているようです。

 私たち兵庫県でも港街の神戸市や世界文化遺産の国宝姫路城を有する姫路市など瀬戸内側はもとより、個性豊かな活動をしておられる日本海側や、温暖なリゾート地として認知されてきている淡路島、そして内陸の旧街道沿いの宿場町の風情を残す各地域にと徐々に海外からの観光客の方が緩やかに増えてきています。

 これは、単に「観光地に行ってきました」という旧態の観光ではなく「その地ならではの」良さ、特徴を体現して、日本の心を知りたいという期待の表れと思います。

 オリンピックに向かう東京のパワフルな牽引力は勿論ですが、小さくとも「日本」を表現する地方の力。私たち菓子業界は、こうした地域でお客様にご支持をいただきながら営みを続けています。近年、日本料理の世界文化遺産登録があり、これがきっかけとなり、ミラノ万博でも一番人気のパビリオンが日本館だったことは、記憶に新しいものです。

 これからの海外からのお客様に向けて国を挙げて特に実行しなければならないこととしては、日本そのものの良さを伝える歴史的公的施設の開放や、国立公園など、まだまだ多くの「魅力」が残されています。未来に伝えていくための文化財の「保存」と、世界に伝えていくための「開放」。このバランスを取りながら、図っていく必要があると思います。

 海外へのアピールとしては、菓子業界としても「世界基準」としての一つである2020年HACCP制度化への対応など、乗り越えていかなければならないものがあります。よりよく学び、伝えていく必要の度合いは、年々増すことでしょう。

 日本の食文化の一端を担う、私たち菓子業界。洋菓子・和菓子の区別なく「日本菓子」として世界からの訪日外国人の皆さまに、日本の「美味しさ」「歴史」「伝統」そして「未来」と「可能性」をお楽しみいただけるように業界挙げてアピールしていきたいものです。

 兵庫県菓子工業組合理事長補佐・日崎隆広

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