各地の菓子店探訪
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「五家宝末永く」

熊谷市 堀内製菓

五家宝末永く 今回は熊谷市堀内製菓さんの銘菓「五家宝末永く」を紹介します。同店は明治二十年創業で五家宝専門店として営業されています。

 熊谷市は「あついぞ熊谷」で最近有名です。元々は平安時代末期に様々あらわれた武士団のうち武蔵国で結成された武士団武蔵七党の中心地でした。この時代の「名こそ惜しけれ」という坂東武者が好んだ言葉はその後日本人のあるべき美学として強く影響を残してきました(坂東とは、この時代の関東のことです)。市内に残る国宝妻沼聖天山歓喜院聖天堂はこの時代のものです。江戸時代からは中仙道宿場町として栄えた自由都市です。当埼玉県菓子工業組合の事務所所在地でもあります。

 五家宝とは水戸の銘菓吉原殿中にルーツが有ると口伝されている熊谷周辺で独自に親しまれてきた郷土菓子です。

 堀内製菓堀内伸浩店主に話を聞きました。五家宝は300年続く伝統銘菓。明治二十年創業以来、手作りに拘り続けております。原材料は大豆・もち米・水飴・砂糖と無添加食材のみ使用。自然健康食品としても親しまれ、幅広いお客様に長年支持をいただいております。賞味期限は一週間です。従来品は細巻と太巻が有ります。定番の細巻は香ばしい風味と香りが親しまれている通常のきな粉と、青大豆を煎って挽いた青きな粉のうぐいすとの二種類。通のかたにはサッパリした味のうぐいすが喜ばれています。太巻はきな粉の他に国産干し杏子を五家宝の中に散りばめた杏子と青きな粉と抹茶をあわせた抹茶の三種類を製造し、変り種を含め味のバリエーションを持たせている。日本一長い五家宝を創ろうと考案したのが今回紹介の「五家宝末永く」になります。全長60センチの五家宝を一本箱に入れての販売。箱に貼るラベルの文面を五種類用意してお客様の気持ちを込めたメッセージを選んでいただきます。店舗名称ラベルの他に「末長くご繁栄を」「末長くお幸せに」「末長くご健康で」「末長くお付き合いを」の四種類を用意したところ慶事の注文が多く貰えるようになりました。一本ごと専用の手提げ袋とポストカードを封入し販売しています。ポストカードは地元の熊谷美人を募集しモデルになって貰いました。通常の印刷ラベルの他に高価な金刺繡ラベルを用意した所、予想外の反響でよく売れています。

 熊谷市は来年ラグビーワールドカップ開催地の一つです。熊谷名物五家宝がお土産の中心となって売れる事でしょう。「末長く」通常印刷箱入りが税別1,300円、金刺繡箱入れが税別1,700円。堀内製菓所在地は熊谷市元町2―15です。

 埼玉県菓子工業組合副理事長兼専務理事・中島祥夫

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