㈱山梨製餡で餡を深く学ぶ
製餡工場を見学
京都府菓子工業組合が運営をしている京都府菓子技術専門校では、4月26日に株式会社山梨製餡へ生徒13名と学校関係者3名でお伺いし、本社工場を見学させて頂きました。
山梨製餡は大正9年(1920年)に京都で創業され、現在の山梨彰一社長で3代目となられます。業務は生餡の製造を中心に、加糖餡や最近では栗やさくら、抹茶、桃、ほうじ茶、レモンなどを入れたフレーバー餡など、また各種のかのこ豆の製造には最新の蒸発型連続濃縮釜を使い、精度の高い製品づくりをされておられます。
工場は京都の東山の麓に位置し、豊富でおいしい地下水をもとに製造されておられ、材料は北海道産の小豆を中心に丹波大納言、手亡、貴重な備中白小豆なども使われています。工場へは社長自らご案内頂き、はじめに豆の貯蔵庫で原料になる小豆や豆の説明を、続いて洗浄の工程、炊きの工程では自動で一定時間水に浸し2度炊きをされ、その後粉砕、さらし、脱水の工程を経て0℃で保存されている冷蔵施設までを見学致しました。次に別棟の工場へ移動し、つぶ餡、練り餡やかのこ豆の製造、そのあと軽量、包装、検査工程を見学致し、最後にレトルト釜での製造をご説明頂きました。
工場見学後は、会議室に場所を移しパソコンで製造工程の確認と、北海道での小豆栽培の説明とともに、会社全体の取り組みとして、より一層の安心安全をめざし衛生面のさらなる向上と、各作業での従業員の負担軽減を目標として考えておられるお話をお聞きし、質疑応答では、餡の製造工程から、小豆の品種や栽培の方法、有機栽培の小豆などさまざまな質問に親切丁寧にご回答を頂きました。
今回の見学を通じて、普段菓子作りで接している最も重要な材料である餡に対する有意義な知識を得る機会が出来、お忙しい中ご対応頂きました山梨社長様にあらためて感謝と御礼を申し上げます。
京都府菓子工業組合理事長・横山長尚