端午の節句餅
人と人、家と家を繋げる
今回、初めての執筆になり未熟な部分がございますがどうぞよろしくお願いいたします。
私は福井県菓子工業組合青年部に所属しております。日頃、組合の方とは仕事のことやプライベートのことなど交流を深め多くの気づきや経験をさせていただいております。
今回の内容は福井ならではの節句餅について書かせていただきます。その前に、少しだけ私たちのお店の紹介をさせてください。私のお店は創業1861年福井の三国というところから始まりました。創業当時は北前船の三国港として人が賑わう町の中から始まりました。当時はお客さんが持ってきたもち米を丸餅や大福に加工することを生業としておりました。それから福井駅が誕生して町の中心が港から駅に変わると同じくらいに三国から駅周辺に店舗を構えこれまで歩んでまいりました。現在は餅菓子を中心に、夏はアイスクリーム・アイスキャンデーなど幅広く商品数をそろえて販売しております。
さて、福井には節句餅という風習があります。
節句餅とは、親の心を形にしたもの、端午の節句というのは男の子を祝うものです。嫁いだ娘が男の子を産んだ!両家にとってこれに勝るめでたいことはありません。健やかにたくましく成長してほしい思いは兜や鯉のぼりもさることながら、相手方の家族をはじめ親戚の皆様より娘と孫共々見守ってほしいとの親心から先方様に配る節句餅。
又一方、息子が養子として入り、大に力を発揮して一家の中心となって堂々とやっていってほしい、という親心から送る節句餅と二つあります。
このような習慣が今に受けつがれているのは、やはり親の子供に対する心、思いは変わらないものであり、人と人、家と家とのつながりは昔から続く付き合いの中で大切なことの一つであったのではないでしょうか。
私が今生きているこの時にも親やご先祖のこれまでの思いが自分に続いていると思います。その思いを感じ、感謝を忘れないでこれからも成長していきたいです。
福井県菓子工業組合青年部・餅の田中屋・田中秀信