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大阪発祥の伝統芸能で、世界遺産の「文楽」を鑑賞

「仮名手本忠臣蔵」の鑑賞会 大阪府菓子工業組合は4月20日、国立文楽劇場(大阪市)で上演中の4月文楽公演「仮名手本忠臣蔵」の鑑賞会を行った。

 文楽とは江戸時代に大阪で生まれた人形浄瑠璃で、物語やセリフを語る太夫、情景や心情を奏でる三味線、そして人形の3つの要素が三位一体となった総合芸術で、ユネスコ無形文化遺産に指定されている。

 開演に先立ち、文楽人形遣いで重要無形文化財保持者(人間国宝)の吉田和生師に、特別に文楽人形の仕組みや動きなどの実演解説をしていただいた。

 人形の首と右手を遣う「主遣い」、左手を遣う「左遣い」、「足遣い」の3人で一体の人形を遣うこと、演目ごとに人形一つ一つに衣裳やかつらを仕立てることなどの内容に、組合員たちは熱心に聞き入った。

 解説の後は、文楽人形に触れながら、動かし方を学んだり、記念撮影の時間が設けられ、普段はできない体験に組合員たちは興味津々の様子だった。

文楽人形遣いの吉田和生(よしだかずお)さん(重要無形文化財保持者/人間国宝) その後開演となり、この日、人形解説をしていただいた吉田和生師が遣う「塩谷判官切腹の段」では、水を打ったような静けさの中、無念の切腹を遂げる場面に満員の観客が息を飲むなど、おなじみの忠臣蔵の名場面の数々に大きな拍手が送られた。

 終演後には、許可を得て出演者の楽屋前や舞台裏を見学。文楽人形やさまざまな大道具、小道具が置かれ、舞台の雰囲気を間近に感じた。特に、太夫と三味線が演じる「床」と呼ばれる場所は回転式の舞台になっており、くるっと回って舞台に登場する。その裏側には、身を清め、舞台の安全と成功を祈願した塩がまかれているなど、伝統芸能の現場にふれ、組合員たちは満足げな表情で劇場を後にした。

 大阪府菓子工業組合副理事長・村上信

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