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「新年合同懇親会・新春講演会」の開催

東京都菓子工業組合・東菓工協力会

坂本光司氏 毎春恒例の東京都菓子工業組合・東菓工協力会「新年合同懇親会・新春講演会」が令和2年2月26日(水)上野「精養軒」において開催されました。

 朝から時折小雨も降り、少し肌寒い天気でした。新型コロナウイルスのニュースが世の中を搔き乱し、様々なイベント、会合が自粛の名の下中止になる中での開催となりました。

 今年の新春講演会にお招きした講師は、経営学者であり、元法政大学大学院教授の坂本光司氏です。「中小企業経営と人を大切にする経営」というテーマでご講演頂きました。

 私は先生の講演は初めてでしたが、ずっとどこかでお聞きした、どこかでお聞きした名前だと心の中で呪文のように唱えていました。

 ご尊顔を拝した瞬間に思い出しました。私も読んだことのある「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を著した方だと・・・経営者として、何が大切なのかを悩む日々に、一筋の光明を与えてくれた本でした。

 講演の始めに、日本の中での企業訪問数は8千社を超えられると伺いました。その自信に裏打ちされた言葉が、我々の心の奥に大きく響きます。90分という時間はあっという間です。遠く思い出せば90分の講義が長く感じた学生の日々を恥じます。自分にとって欠けているものすら、わからなかったのです。

 講演会の司会は、内外香料㈱代表取締役後藤真由氏です。春浅い上野の森に鶯の声が、と思わせるおきれいな声でのご紹介です。

 さて、講演の内容について記したいと思います。

 最初に、企業経営の目的・使命とは何ぞやというところから話されました。すべての活動には目的・手段・結果があるが、最も大切なのは目的であると説かれます。

 企業経営の目的・使命は「関係する人々の幸せの追求・実現にあります。幸せにすべき人は5人です。①社員とその家族②社外社員とその家族③現在顧客と未来顧客④地域住民とりわけ障がい者等社会的弱者⑤出資者・支援機関これが出来れば先生の説かれる5方よしの経営になります。近江商人の商売の極意である三方よしの精神に、肉付けしたものになるでしょうか。

 次に、いい企業の共通項として23の項目を挙げられました。共通項で23ですから、いい会社になるのは大変なことです。経営者は、まず人として正しくなければならない。ぶれない強さを持たねばならない。広く、深く見通す目を持たねばならない。常に勉強し続ける勤勉さを持たねばならない。弱いものに対して大きな心と優しさを持たねばならないということでしょうか。経営者としての器量がないということをつくづく思い知らされた90分でした(坂本先生のご講演の詳細は後日、本紙で掲載いたします)。

 お忙しい中、東京の中小企業の菓子に携わる経営者たちに熱い言葉を投げかけて頂き心より感謝申し上げます。
 場所を移動しての懇親会には、ご来賓として全国菓子工業組合連合会専務理事吉田竹志氏、事務局長渡辺嘉一郎氏、一般社団法人菓子・食品新素材技術センター研究所長岡部裕子氏をお迎えして行われました。東菓工・協力会併せて74社90名の参加予定でしたが、残念ながら10数名の欠席となりました。

 司会は、毎度お馴染みの二葉製菓㈱代表取締役二葉晃司氏です。新芽と二葉に染まった新春を彩る催しの司会は、氏を置いて他にいません。

 東菓工理事長黒川耕次氏(三黒製菓㈱取締役会長)、協力会会長寺本眞一氏(寺本製菓材料㈱取締役社長)にご挨拶頂きました。開催にあたっては悩んだことを、お二人ともご挨拶の中に込められました。

 乾杯の音頭は、㈱愛工舎製作所取締役会長牛窪啓詞氏です。高らかなご発声で懇親会がスタートしました。

 合同での催しが増えてきたので、確実に輪は大きく広がっています。上野「精養軒」の美味しい料理に舌鼓を打ち、旨酒に酔いしれた頃、早くも中締めとなってしまいました。ご発声は、江戸の粋を全身に纏った東菓工筆頭副理事長の江川清志氏(マルエ製菓㈱取締役会長)です。今年一年が皆様にとって明るい年となりますようご祈念頂き、まだ行事が続く為、三本ではなく二本で締めて頂きました。

 まだ年の初めです。一日も早く新型コロナウイルスの騒動が終息し、今年が菓子業界にとって良い一年となりますことを心より祈念申し上げます。

 東京都菓子工業組合副理事長・中谷光基(中谷製菓㈱代表取締役社長)

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